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倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道

倒壊する巨塔〈下〉―アルカイダと「9・11」への道
By ローレンス ライト

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  • Amazon.co.jp ランキング: #8006 / 本
  • 発売日: 2009-08
  • 版型: 単行本
  • 384 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
『ニューヨーク・タイムズ』年間最優秀図書。ピュリツァー賞受賞作品。ビンラディン、ザワヒリ、FBI捜査官オニールの軌跡を丹念に追いかけて、その等身大の姿を描く。いよいよ未曾有の惨劇の当日、そして彼らが直面した運命とは?調査報道の頂点を示す傑作ノンフィクション。

出版社からのコメント
【ピュリツァー賞受賞作品、手嶋龍一氏推薦!】
 本書は、2001年9月11日の「米同時多発テロ」に至るまでの道を、膨大な資料分析とインタビューを駆使して再構成し、この凄惨なテロ事件における「人間ドラマ」を描ききった、調査報道の頂点を示す傑作ノンフィクションだ。アルカイダのビンラディン、ザワヒリ、FBI捜査官オニールなど、「9・11」の登場人物たちの生い立ちから、教育、結婚、家庭、価値観、そして「神」にいかに向き合ったかまで、事件に至る経緯とその本質に迫っていく。
 たとえばビンラディンは、サウジアラビアの土建を牛耳る一族の生まれだが、傍流のイエメン出身で、主流ではない宗派だった。しかも四番目の妻の子であり、留学せずに国内教育のみという、幾重にも外様の存在であった。反米に傾いたのも、聖地サウジにいつまでも外国軍が駐留しつづけていることに対する、生理的嫌悪感に基づいていた。
 またザワヒリは、エジプト近代化におけるエリート層の鬼っ子であったが、政府の弾圧による投獄、拷問が彼の闇の気質を迷走させたという。かつて二人の側に立っていた人々が、ある時期を境に、彼らには「理屈が通じない」と言い出すところが不気味だ。
 そして、FBIテロ対策捜査官オニールは、艶福家で、一時カトリックを捨てて原理主義に傾いたものの、またカトリックに回帰した経歴の持ち主だった。
 こうした人間が「9・11」を起こし、そうした人間が彼らを追い、犠牲になったのだ......。
 著者は、テロリストとの対決を描いた映画『マーシャル・ロー』の原案・共同脚本を手がけ、『ニューヨーカー』のスタッフ・ライターでもある。ピュリツァー賞受賞作品、『ニューヨーク・タイムズ』年間最優秀図書選定、手嶋龍一氏推薦!

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
ライト,ローレンス
作家、映画脚本家、『ニューヨーカー』スタッフライター。1947年生まれ。テュレン大学卒業後、カイロのアメリカン大学で2年間教鞭を執った。これまでに6冊の著作があり、『倒壊する巨塔―アルカイダと「9・11」への道』でピュリツァー賞を受賞(2007)、『ニューヨーク・タイムズ』年間最優秀図書(2006年度)に選ばれた。また、エドワード・ズウィック監督の映画『マーシャル・ロー』(1998)の共同脚本を手がけた

平賀 秀明
1956年生まれ。早稲田大学卒業。中国通信社、共同通信社勤務を経て翻訳家に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

9.11 運命の日5
本下巻も、いよいよ到来する運命の一日とその前史を描いて余すところなく読ませる。

読めば判る一書であり、もはや贅言は不要だが、私は本書でジョン・オニールの物語と米国が運命の日を回避することができなかった最大の要因であるCIAとFBIのセクショナリズム対立について、初めて知った。云うまでもなく、特に前者の責任はとてつもなく重いように思われる。

また、突入した二機の犯行者たちを揺籃したドイツに関する記述も、目を惹いた。
「国内で策動する外国人勢力への対処法には一種の不文律がある。すなわち、ドイツ自身が標的にされないかぎり、そのまま放置しておけ−というものだ」(190頁)。
「急進的イスラム主義と、国家そのものを壟断したナチスのあいだには、共通点はほどんどない。・・・ ただ、敗北の恥辱のなかで生まれた点は、ナチスと似ていなくもない」(同)。

「「九・一一」の華々しい勝利にもかかわらず、全世界のムスリムはアルカイダに合流の動きを見せなかった。ビンラディンは裏切られたような気分を味わった」(304頁)。当然であろう。

人間の残虐性は終わりがないのか。。。5
テロとの戦いは、FBIとCIAの情報戦略でのせめぎあいを絡めて、9.11に向けて、カウントダウンが始まる。ジョン・オニール捜査官の執念がアルカイダの動きを追い詰めていく。しかし、上手の手から水が漏れるの諺どおり、私生活の乱れから彼は転職を余儀なくされる。クリントンとモニカのスキャンダルもテロの抑止にブレーキをかける結果となった。自爆テロ後は、天国で美しい処女と美食が待っていると言われて、志願する若者、ビンラディンなどアメリカへの憎悪を募らせる指導者、いずれの男性も満たされぬ思いを意趣返しのように、テロへと向かわせる。人間はこういった残虐性からいつになったら、開放されるのだろうか。。。多くの人に読んでほしい本だ。
テロの犠牲者に合掌。