人口流動の地方再生学
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-06-16
- 版型: 単行本
- 248 ページ
エディターレビュー
内容紹介
消滅する集落、破綻に瀕する財政.人口減少高齢化の下で急激に進行する地方の衰退の原因を追究。地方再生の処方箋として、地方と都市が並存しその間を人々が活発に行き来する「人口流動社会」を提唱。実現への道筋を示す。
内容(「BOOK」データベースより)
地方再生は地方発であるべきだ!日本人がもっと動けば、地方も都市も元気になる!地方を衰退させたのは、日本と日本人の「中央集権」である。多様に生きる人々が「居場所」を求めて活発に往来する「人口流動社会」でこそ、地方は再生できる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松谷 明彦
政策研究大学院大学教授。1945年疎開先の鳥取県で生まれる。東京大学経済学部経済学科・同経営学科卒業。大蔵省主計局主計官、大臣官房審議官などを歴任。1997年より現職。2004年東京大学より博士(工学)の学位取得。専門はマクロ経済学、社会基盤学、財政学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
現在の都市と地方論を地方の視点からとらえているのがユニークである。
新たな視点を見せてくれた本である。
著者によれば、今の地方の疲弊は、戦後はじまった集団就職列車により若者を大量に地方から都市へ送り込んだことに起点がある。すなわち多くの若者が都市に向かったために、地方では子供の数が急減し、高齢化と人口減少に向かっていった。それは、この国では戦後の復興を目指し、海外からライセンス生産として設備、技術、マニュアルをそっくりそのまま直輸入したが、これによる画一化、規格化をすすめ、大量生産体制を作ったことにその遠因があるというのである。
これによって生じた過疎化の問題を、今度は地方への産業導入により解決しようとしたが、そこには地方の視点がなかったためにことごとく失敗したという。
最近言われているコンパクトシティも、分散しているコミュニティーを中央に集めて効率的な都市を目指すという観点に立てば、地方に中心を作る考えに変わりはなく、必ずしもうまくいかないと断言している。
以上の分析から、地方再生は農業の再生から始めるべきだと主張する。
その上で、表題にもある人口流動化がキーワードとなるとしている。
現在の都市と地方論を地方の視点からとらえているのがユニークである。
ただ、本書の提言する地方再生策はやや具体性に乏しい。
むしろ、本書の中でも触れられているように、すでに「手遅れ」のところに来ているような気がしてならない。
地方の再生には人口の流動と地方発のビジネスモデルが必要
地方の衰退・人口減少、農山村集落の過疎化は、経済成長による不可壁的な結果なのではない。それは、戦後急速な経済発展を図るために日本中で導入されたライセンス生産方式や重化学工業中心の産業振興政策に起因している。これによって三大都市圏以外の核都市は若年労働力を急速に吸い上げられて衰退・高齢化し、日本全体としても薄利多売のビジネスモデルを選択したことにより、途上国の追い上げにより経済発展の限界を向かえ、三大都市圏も急激な高齢化に突入しつつある。
地方そして日本自体の再生には、大都市に資源を集中し少品種大量生産の薄利多売ビジネスモデルにより都市圏の成長を図り、地方がそれに依存するというこれまでのスタイルを改めなければならない。熟練労働により高付加価値の製品を作り出す多品種少量生産のビジネスモデルをそれぞれの地方がそれぞれのやり方で造り上げるとともに、都市と農村、地方と大都市の垣根を越えて人々が広域・全国を移動・流動する社会としていく必要がある。
特に国民的財産である農山村集落の維持のためには、土地利用型作物である水稲・小麦・大豆の生産拡大を図り、自給率を高める必要がある。そのために生産性向上のために大規模化した農家に生産を集中させることが必要だが、それ以外の農家も継続して農業に参画する仕組みを作っていかないと、人口減少を招き、集落の維持はできない。
以上のような分析で、このままでは地方の経済・社会の崩壊・消滅が不可壁であることを指摘しつつも、地方・農山村集落の衰退は政策の選択によりもたらされたものであることから、その対策も政策的に可能であるということを、人口学等の知見によりデータ的に論証している画期的な本。





