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良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)

良い経済学 悪い経済学 (日経ビジネス人文庫)
By ポール クルーグマン

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"Everything Mr. Krugman has to say is smart, important and even fun to read. Paul Krugman is no household name, but probably should be . . . he is one of a handful of very bright, relatively young economists who do everything well." -- Peter Passell, New York Times Book Review

"Pop internationalists" -- people who speak impressively about international trade while ignoring basic economics and misusing economic figures are the target of this collection of Paul Krugman's most recent essays. In the clear, readable, entertaining style that brought acclaim for his best-selling Age of Diminished Expectations, Krugman explains what real economic analysis is. He discusses economic terms and measurements, like "value-added" and GDP, in simple language so that readers can understand how pop internationalists distort, and sometimes contradict, the most basic truths about world trade. All but two of the essays have previously appeared in such publications as Foreign Affairs, Scientific American, and the Harvard Business Review. The first five essays take on exaggerations of foreign competition's effects on the U.S. economy and represent Krugman's central criticisms of public debate over world trade. The next three essays expose further distortions of economic theory and include the complete, unaltered, controversial review of Laura Tyson's Who's Bashing Whom. The third group of essays highlights misconceptions about competition from less industrialized countries. The concluding essays focus on interesting and legitimate economic questions, such as the effects of technological change on society.


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  • Amazon.co.jp ランキング: #7528 / 本
  • 発売日: 2000-11-07
  • 版型: 文庫
  • 298 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
「国と国とが競争をしているというのは危険な妄想」「第三世界の成長は第一世界の繁栄を脅かさない」―いま最も注目される経済学者が、巷にはびこる経済学的俗説を一刀両断!アジアの経済危機を予言した話題の論文「アジアの奇跡という幻想」も収録。

内容(「MARC」データベースより)
「国と国とが競争をしているというのは危険な妄想」「アジアの奇跡は幻だ」-。L.サローラら世界的に著名な識者でさえもが囚われる俗流経済論の誤りを鋭く究明。目からウロコが落ちる痛快評論。

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A collection of essays about international trade seems destined to be a snoozer, but Paul Krugman, an economics professor at the Massachusetts Institute of Technology, somehow manages to write about an arcane subject in a lively manner that is actually entertaining. Krugman contends that many who are famed as experts on world trade actually misunderstand the subject completely, and he provides a startling commentary on some notables, from Lester Thurow to Ross Perot. Yet Krugman comes not merely to destroy; a reader can gain from his essays some real insight into economics, not to mention which economic commentators know their stuff.


カスタマーレビュー

2008年ノーベル経済学賞受賞!という帯につられて買いました4
「決定的な点は、限られた市場をめぐる企業間の競争とは違って、貿易がゼロサムゲームではなく、ひとつの国の利益がほかの国の損失になるわけではないことだ」「国際競争によって国が存続できなくなることはない」「貿易相手国より生産性が明らかに劣っている国でも、貿易によって通常、打撃を受けるのではなく、恩恵を受けることになる」

2008年ノーベル経済学賞受賞!という帯につられて買ってみた。予想よりちょっと古い内容の本だった。インターネットは出てこないし、ソ連が出てくるし、クリントン政権だし、Euroの誕生はまだ疑問視されているし、中国は成長を始めて間もないし、インドはほとんど無視されているし、資源や食料の高騰や、地球温暖化も出てきません。

ただ、古いがゆえに、その後の歴史を照らし合わせて読めば、著者の見識が果たして正しいものだったかの検証と確認を行いながら読めるという利点がある。そして、その答えは、おおむねYesである。

例えば、一国の成長が生産性の向上による発展なのかそれとも単に投入量の増加によるものかの見極めが大切であり、その立場から分析すると、当時脚光を浴びていたメキシコ経済の成長は、単に投入量の増加によるものでしかなく、成長する筈だという前払いを受けているだけだからブームは終わる、という指摘は鋭い。実際、その通りになり、その後メキシコ経済は長期低迷に入っている。また、日本脅威論や、旧共産主義国への脅威論に対する当時の分析も、おおむね正しい結果になっているように、私には読める。

レスタ・サローらの並み居る超一流の学者達を敵に回して、経済学の基本から離れることなく徹底的に反論を行い、自由貿易と経済の関係の本当の姿を力強く解説する。絶対優位と相対優位の考えなど、特に自由貿易の経済原理の解説はわかりやすく、時代を超えて一読する価値がある。

ただ、内容は素晴しいけれども、やっぱり本書では扱っている世界が昔すぎて、多少隔世の感があり、かなり控えめにいってもちょっと古い。このため、どなたにも薦められるという本ではないかもしれない。

さすがはクルーグマン5
今や日米両国において最も人気のあるエコノミストであるクルーグマン教授が書いた初期の頃の啓蒙書です。この本は書き下ろしではなく、すでに別のジャーナルで発表された13の論文を集めた論文集ですが、国際経済学に関するいくつかのトピックに関して素人にも分かり易く説明した論文を選んで編集しているので、経済学の知識がない方でも無理なく読み進めることができます。本書の全体を通じて彼が強調している点として

・国と国との関係を企業と同じように捉えて「競争」を強調するのは事実と一致しないばかりか危険ですらある
・貿易の効果(とりわけ負の効果)が数字の根拠がなく語られることが多いが、きちんとデータをみながら分析することが大切である
・経済学の標準的な理解と現実のデータに照らし合わせるならば、多くの場合において巷で喧伝される貿易の負の側面は存在しない、あるいは無視できるほど小さい

などが挙げられます。具体的な中身としては、標準的な経済学と矛盾する自説を唱える俗流経済学者の著作を斬りながら、彼らが金科玉条の如く崇め奉る「競争力」という概念を否定的に論じた第1章『競争力という危険な幻想』、極めてシンプルな2国間モデルを用いて、南北間貿易が先進国に与える影響を分析した第4章『第三世界の成長は第一世界の繁栄を脅かすか』、アジア経済の高成長の牽引役が技術進歩ではなく生産に対する要素投入の増加によってほぼ説明できることから、当時盛んに言われた「奇跡」は何も見られないという衝撃的な結論を導いた第11章『アジアの奇跡という幻想』などが個人的には面白かったです。逆に、日本ではあまり馴染みのないNAFTAに関して論じた第9・10章あたりは少々退屈かもしれません。

まだクルーグマンの著作を読まれたことがないという方は是非この本から挑戦してみて下さい。本書を通じて経済学の魅力、そしてクルーグマンの世界に酔いしれること間違いなしです!

国際経済学版「ダメな議論」を斬る!4
 「貿易を通じて国と国とは競争している」等一般に流布しているダメな俗説を、当代一流の国際経済学者が真っ当な経済学の知識をもって論破してゆきます。と言っても専門家にしか理解できない数式などは一切出てこないのがミソ。ダメな論者のデータ処理の拙さを指摘したり、至極簡単な比率計算による影響分析で米国内の実質賃金の減少に貿易がほとんど寄与してないことを実証したり、学部生が1時間目に習うような恒等式でもって貿易収支黒字と資本流入が共存することはあり得ないことを述べたり。今年好評だった「ダメな議論」(飯田泰之著・ちくま新書)で述べられた「ダメな議論」の見分け方を彷彿させるような論の運び方は見事です。
 
 本書の内容は'90年代前半を対象としており少し古いですが、最近の中国の経済成長に刺激された脊髄反射的な「中国脅威論」を退けるには、本書のロジックは残念なことにまだまだ必要なのです。