オランダモデル―制度疲労なき成熟社会
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #49819 / 本
- 発売日: 2000-04
- 版型: 単行本
- 236 ページ
エディターレビュー
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かつては「オランダ病」と揶揄(やゆ)されたほど経済活力の点で問題の多い国だったオランダが、いまや「オランダの奇跡」と呼ばれて、世界の注目を浴びている。ジェトロ駐在員としてオランダ生活を経験した著者による本書は、多くの日本国民が知りたがっている情報を豊富に提供してくれる。
オランダ・モデルはポルダー(開拓地)・モデルとも呼ばれ、パートタイムと常勤雇用との時間あたり賃金と社会保険の差をなくし、一種のワークシェアリングを全国的に行ったことで知られる。雇用を改善し、不況・失業を克服するために労、使、政府の代表が協議して、労働側、使用者側それぞれ不利な政策をも含む政策パッケージを作成し、これに労、使、政府の代表が合意して実行した。まさに三方一両損にみえて全体として得になる社会契約的政策パッケージであり、利己心にとらわれてかえって全員損をする囚人のジレンマを全員にとって利益になるプラス・サムゲームに転換する契約である。この政策は雇用を弾力化し、平均賃金を一時低下させて雇用を増やし景気を回復させたのだから、新古典派的・ピグー的雇用・景気対策であるが、それを労使合意のもとで行ったところに意義がある。著者が言うように雇用・賃金改革だけでなく同時に社会保障改革、規制緩和と総合的に行ったことも注目すべきである。それに環境政策やNGOの活動に関してもオランダは先駆国であることが紹介されている。
本書は「アメリカ・モデルを参考にすべきだという呪縛にとらわれている」日本人にもう1つの道としてオランダ・モデルを示した点でも意義深い。オランダ人は、コンセンサスを重視するという点では日本人と共通点がある。ただ日本のコンセンサスは関係者の癒着という形の悪いコンセンサスであるがそれを良いコンセンサスに変えることができれば、オランダ・モデルは日本に導入されやすいと著者は言う。現在の日本の不況と失業克服のためにも示唆するところが多い本である。(丸尾直美)
内容(「BOOK」データベースより)
「オランダ病」から「EUの優等生」へ―膨大な財政赤字と高失業率を克服した「賃上げ無き雇用創出」はなぜ可能となったのか。政府=NGO=企業という「奇跡」を生んだしなやかな連携。
内容(「MARC」データベースより)
「オランダ病」から「EUの優等生」へ奇跡の変貌を遂げたオランダ。膨大な財政赤字と高失業率を克服した「賃上げ無き雇用創出」はなぜ可能になったのか。その独特な社会・経済システムを分析し、「奇跡」の秘密を解明。
カスタマーレビュー
日本が見習うべき相手はアメリカではない。
オランダモデルの特色である合意形成と統合という考え方は、これからの日本にとって大いに参考になると思われる。時間をかけてみんなで話し合う、横断的で統合的に政策を行うなどは、今の日本に欠けていることである。これらのことができることが真の民主主義であるし、問題を本質的に解決できると思う。しかしながら、現在の日本の社会経済システムでは、その実現はなかなか難しい。
今まで、アメリカの社会経済システムを優先モデルとして見てきた日本は、もう一度自国の将来像についてしっかり問い直すべきである。少なくとも、日本が今後もアメリカにぴったりくっついていくことは、多くの弊害を生むのではないか。むしろ、暴走するアメリカに助言を与えるような立場に転換すべきである。
この本に注文をつけるとしたら、もう少し読みやすくわかりやすく表現して欲しいということかな。
仕事と家庭の両立はいかにあるべきか?
仕事と家庭の両立という少子化問題を考える上で好著である。
アメリカ流に女性が男性と同等になることを目標に世帯所得を限りなく1.0から2.0に近づけるという発想には、自己実現=キャリアアップの構図しか見えず、子どもを含む家族関係や各自の人生観をどのようにとらえるかが見えない。しかし、著者も指摘するように人々は様々な理由で、仕事と家庭のバランス、仕事と人生のバランスを求めて闘っているのである。その点からいえば、家族とともに過ごせる時間、もっと自由になる時間を求めて、世帯所得を共働きによって、1.0から1.5へ増やし、余った0.5を余暇など労働以外の時間に費やしたいという生活優先指向のオランダ流の考えは、わが国にとってなんと示唆に富む考えであろうか。これを長い伝統のしがらみの中から生まれた妥協の産物と捉えるか新しいシステムと捉えるかは、読者の考え方如何である。
日本が大いに参考にすべき社会 オランダ
本書を読むと、経済社会改革を進めている我が国は、オランダに学ぶところが沢山あることがよくわかる。特に、雇用・労働形態についてだ。企業・労組・政府がうまく妥協点を探り、今日の雇用・所得・生活水準を達成してきた。他にも高齢者に優しい社会作りなども多いに参考になる。リープハルトの多元的民主主義モデルの紹介も良い。
日本は規制緩和を進めたイタリアに学ぶべきところも多い。日本の良き未来のために、経済社会改革の重要性・緊急性が痛感させられる一冊といえる。





