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ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄

ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄
By 白戸 圭一

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  • 発売日: 2009-07-31
  • 版型: 単行本
  • 326 ページ

エディターレビュー

内容紹介
2010年にFIFAワールドカップが開催される南アフリカ共和国をはじめ、アフリカの国々は、いま経済成長のさなかにいます。世界的な経済不況の影響はあるものの数パーセント以上の経済成長率を達成しています。

これは、石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…など、先進国の経済を支える貴重な資源が大量に眠っているからです。先進国の投資によって、かつての貧困の地が今、高度成長を続けているのです。

しかし、マクロ経済の数値を調べれば好調としか言いようのない、アフリカの国々で、犯罪が蔓延し、武装組織が結成され、人身売買が横行し、住民虐殺が行われています。格差の拡大と暴力の洪水は、資源ブームに沸くアフリカで顕在化している問題なのです。しかも、海賊行為、麻薬の密輸、金融詐欺など、国境を越える暴力となって先進国にも襲いかかっています。もちろん、日本にもです。

成長し続けるアフリカでなぜ、格差が広がっているのでしょうか。資源は人と社会に何をもたらすのでしょうか。アフリカの今を描くことは、日本を含む世界の明日を占う手がかりになるのではないでしょうか。

資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告します。

内容(「BOOK」データベースより)
石油、金、ダイヤモンド、レアメタル…。先進国を支える貴重な資源が大量に眠る大陸、アフリカ。かつての貧困の地が今、高度成長を続けている。だが、その成長の地で犯罪や紛争が頻発し、麻薬の密輸、金融詐欺、海賊行為など国境を越える暴力となって日本にも襲いかかる。資源ブームに沸くアフリカでなぜ、暴力の嵐が吹き荒れるのか。元現地特派員が自らの目で見たアフリカ社会の今を報告する。

著者について
白戸圭一(しらと・けいいち)
1970年埼玉県生まれ。1995年立命館大学大学院国際関係研究科修士課程修了。同年毎日新聞社入社。鹿児島支局、福岡総局(現西部本社報道部)、外信部を経て2004年から2008年までヨハネスブルク特派員。現在、政治部記者。共著に、『アフリカはいつもハッピー』(かもがわ出版、1993年)、『新生南アフリカと日本』(勁草書房、1994年)、『南アフリカと民主化』(勁草書房、1996年)、『地域研究調査法を学ぶ人のために』(世界思想社、1996年)、『社会開発論』(有信堂高文社、2001年)がある。


カスタマーレビュー

著者の取材にはただただ圧倒される5
著者が毎日新聞のヨハネスブルグ特派員時代にアフリカ各国を取材した事を基に書かれている本である。

が、この取材内容が凄まじい。南アのスラム街に始まり、モザンビークの強盗に人身売買の当事者、ナイジェリアやコンゴの活動組織、スーダン、チャド、そして無政府状態のソマリア。
よくもまあ無事に帰って来れたものである。

副題である「暴力が結ぶ貧困と繁栄」を描くなら確かに、こういった取材が必要なのだろうが、著者の心にはアフリカへの愛が溢れている。「アフリカの人々も我々と同じく喜び、悲しみ、悩み、怒りながら生きている」と著者は言う。そのアフリカにどうしたら日本の、いや、世界の目を向けさせることができるか、これがこの本の壮大なテーマであり、その義務感に駆られたからこそ、ここまで危険な取材ができたのであろう。

私自身仕事柄数回南アやそれ以外のアフリカ諸国に行っており、それだけに著者の行動力にはただただ圧倒された。

アフリカに関係する方は当然のこと、それ以外の方々にもお薦めしたい内容である。

素晴らしいルポだ。5
◆本書「ルポ資源大陸アフリカ―暴力が結ぶ貧困と繁栄」の著者白戸圭一氏は、毎日新聞の元ヨハネスブルク特派員で、現在は政治部記者。本書は、著者がヨハネスブルク特派員だった時に、南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ(旧ザイール)、スーダン、ソマリアで起こっている暴力の現場を取材し、毎日新聞本紙には(読者ニーズが少ないために)掲載しきれなかった部分をまとめたものである。アフリカの現状を伝える本である。

◆まずはじめに書いておく。この本の内容は素晴らしい。

◆アフリカには貧困がつきまとい、圧政君主と腐敗した政治が渦巻き、暴力が国中を支配している、というイメージが世界中の人々に植え付けられている一方で、最近読んだアフリカ絡みの本、ロバート・ゲスト「アフリカ−苦悩する大陸」や、ヴィジャイ・マハジャン「アフリカ 動きだす9億人市場」には、アフリカに住む人々だって平和を望んでいるし、経済的に豊かになりたいと思っているし、実際経済的に成功を収めつつある国だっていっぱいある、悪いことばかりじゃないんだよ、という論調になっている。

◆1970年生まれの著者は、学生時代の1991年にニジェールを訪れたのを始め、大学院時代にアフリカ政治学を専攻、毎日新聞ではヨハネスブルク特派員と、アフリカに魅せられた人なのだろう。

◆その著者をして、アフリカは貧困や暴力だけではないことを承知の上で、アフリカで起こっている暴力の連鎖、圧政、貧困、それら負のスパイラルをテーマに本書を書いている。

◆発展しつつあるアフリカと、暴力の連鎖が渦巻くアフリカというのは、今の日本を「豊かな国」と見るのか「貧しい国」と見るのか、そのような違いなのかもしれない。だから、松本仁一「カラシニコフ」や本書のような負のテーマをメインに置いている本もあれば、前掲の「苦悩する大陸」「動き出す9億人市場」のテーマもある。

◆惜しむらくは、本書は毎日新聞社の金で取材した成果を記した本なのに、なぜ毎日新聞社から出版されないのか。更にこれだけのルポを書ける記者が、なぜ政治部記者にならなければならないのか。また、時折著者が見せる「上から目線」。こういう部分に、日本の新聞社の問題があるような気がする。

凄まじさとジャーナリストとしての真髄と。5
「日経」書評欄で激賞されていた本著、その穏やかなタイトルに隠された実にヘビィで凄ましい1冊である。
毎日新聞ヨハネスブルグ特派員だった著者は、アフリカ圏48カ国をひとりで担当。虐殺、略奪、強姦が蔓延るこの地で、日本や欧米では大事件として報道される事柄が、人が虫けらの如く殺される事の常態化で、記事としての掲載が限りなくゼロになる事を痛感し、その暴力の背景を取材する事が、“今”のアフリカ諸国へのアプローチに繋がるとのスタンスで、劣悪な環境、身の危険を体験しながら、デンジャラスな地域に入り込み、危険な指導者や犯罪者たちにも突撃取材を敢行、斬り込んでいく。
南アフリカ、ナイジェリア、コンゴ、スーダン、ソマリア、、、。一方で民主化、目覚ましい経済成長を遂げながら拡張する組織犯罪、強盗、麻薬、人身売買。複雑混沌とする民族紛争、内戦、役人腐敗、更に見え隠れする欧米多国籍企業による搾取、環境破壊。この世の果てとも言える犯罪の巣窟、治安崩壊、汚職の極北に虐殺の嵐。根底にあるのは、より深まる絶望的なまでの格差、貧困。読み続けるうちに暗澹たる思いになってくると同時に、遠く安全な位置から眺望した人種差別廃止、民主化のうねりなどと言った甘っちょろい認識は脆くも崩れ落ちてしまう。
結局、過酷で辛苦な状況に置かれるのは、一般人、女性、子供ら弱者。決死の取材を通じて、彼らの言葉と共に掲載されるその現地の写真の数々に、胸を衝かれる。