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ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)

ガニメデの優しい巨人 (創元SF文庫)
By ジェイムズ・P・ホーガン

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  • 発売日: 1981-07
  • 版型: 文庫
  • 321 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
木星の衛星ガニメデで発見された異星の宇宙船は二千五百万年前のものと推定された。ハント、ダンチェッカーら調査隊の科学者たちは、初めて見る異星人の進歩した技術の所産に驚きを禁じ得ない。そのとき、宇宙の一角からガニメデ目指して接近する物体があった。遥か昔に飛びたったガニメアンの宇宙船が故郷に戻って来たのだ。


カスタマーレビュー

心温まるコンタクト5
傑作「星を継ぐもの」の続編で、三部作の二作目に当たる。前作に劣らない傑作。木星の衛星ガニメデに向かう宇宙探査船。そこにガニメデ側からの小型船が接着する。現れたのは、相対性理論によって2千5百万年前の昔から出現したガニメデ人達。

いわゆる宇宙人コンタクトものなのだが、"罪の子"である人間に対して慈愛の心で接するガニメデ人達の優しさに胸を打たれる。まさに、題名通りである。そして前作に引き続き、くだんの生物学者が大活躍し、地球人の起源の謎に遺伝子操作を織り込みながらより深く迫って行く。

本書が書かれた時点で衛星ガニメデ(現在でも生命の可能性が期待されている)に着目した作者の慧眼には感心するし、そのガニメデ人に優しさの原点を見る作者の善意は好ましい。壮大なSF的ロマンの中に心の交流を描き、更には本格の風味も味わえるという豪華な傑作。

ホーガン 完全犯罪を目論む5
“巨人”シリーズ第二作。 SFの生命線である“驚き”を失い、ファンを嘆かせることもタビタビな第二作。 そんな猜疑心に曇り切った読者の目を、「ファーストコンタクト」という全くの(ある意味いまさらな)新展開で清らかに拭い去ってくれたのには安堵した。

 人間と「優しい巨人」との和気あいあいとした研究風景が繰り広げられる裏側で、前作の問題・矛盾点をひとつひとつ地道に塗りつぶしていく、著者の作品へのこだわりは尋常ではない。 ミステリの敵、スーパーAIゾラックの登場により、SF的にはおいしくなっている。

「妖星伝」を思い出した4
シリーズ二巻目に至り、謎は新たに進化する。ミステリの分野で言えば、『彼は何者か』から『彼はなぜそうしたのか』に移っていく。一巻目で曖昧なままに終ったガニメアンの正体が明かにされ、彼らがなぜ『優しい』のか解明される。それはすなわち、我々人類が『優しくない』ことの裏返しでもあるのだった。前作は5万年間の謎をとく事が主流であったが、今度の謎は2500万年間である。およそSF史上もっとも平和的な「ファースト・コンタクト」も描かれる(たぶん)。

今回の発想によく似た日本のSFを私は以前に読んでいた。半村良の『妖星伝』である。テイストはずいぶんと違うが、『地球という惑星は生物がお互い殺しあうところに特徴がある』という発想は同じである。どちらも同時期の刊行。『妖星伝』の場合はこの地球の未来に対してかなり悲観的なラストであった。果たして、ホーガンはどう決着を着けるのだろう。彼はかなり楽天的なようである。先が楽しみだ。