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黒い白鳥 (創元推理文庫)

黒い白鳥 (創元推理文庫)
By 鮎川 哲也

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  • 発売日: 2002-03
  • 版型: 文庫
  • 448 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
久喜駅近くの線路沿いで見つかった射殺屍体の身許は、労使抗争に揺れる東和紡績の社長と判明した。敗色濃厚な組合側の妄動か冷遇の憂き目に遭う新興宗教かとかれるが捜査は膠着。一条の糸を手繰って京都から大阪、そして九州へ向かう鬼貫警部が香椎線終着駅の町で得たものは? 第十三回日本探偵作家クラブ賞受賞作。解説・有栖川有栖

内容(「BOOK」データベースより)
労働争議に揺れる東和紡績の常務令嬢敦子と、労働組合副委員長の鳴海は恋人同士。さながらロミオとジュリエットだが、社長の死を契機に労使間は雪融けを迎えつつあり、二人の春も遠くはない。その気分も手伝ってか、敦子は社長殺しの一件を探偵しようと提案。怪しいと目星をつけた灰原秘書のアリバイ捜査に赴いたバー『ブラックスワン』で、鳴海は事件の鍵を握る人物と出遇う。第13回日本探偵作家クラブ賞受賞作。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鮎川 哲也
東京生まれ。『黒い白鳥』『憎悪の化石』で第13回(1960年)日本探偵作家クラブ賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

作者の黄金時代5
『憎悪の化石』と並行して執筆された鮎川哲也黄金期の作品です。私は彼の作品を読むのは3作目ですが、その中で本作が一番面白いと感じました。もちろん中心に位置するのは時刻表を使ったアリバイ・トリックなのですが、それだけでは終わりません。普通はアリバイものというのは読者には犯人はあらかじめわかっていますが、本作では作者の周到なミスディレクションのおかげでフーダニットの魅力も勝ち得ています。

また、本作の背景として企業の労働争議が描かれていたり、遊郭に勤めていた女性が過去を隠そうとするというプロットもあったりして、社会派の要素を巧みに導入しているのも興味深いです。当時、鮎川は松本清張をライバル視していたようで、その影響なのでしょう。有栖川有栖による入魂の解説も魅力的です。

あまりにも精緻な5
昨年なくなった本格ミステリの巨匠の代表作。鮎川の凄さは犯人指摘の決め手となる手掛かりの提示の仕方にあるが、本作のそれは特に堂々たる見せつけぶりである。鮎川哲也は自信満々なのだ。二つの鉄道トリックも素晴らしく、アリバイものの真髄が味わえる。

傑作5
大胆な伏線のはりかたに驚きました。黒いトランクには劣りますが、アリバイ破りが好きなら必読です。