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青の歴史

青の歴史
By ミシェル・パストゥロー

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  • 発売日: 2005-09-22
  • 版型: 単行本
  • 264 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
ギリシャ・ローマの人々にとって、青は不快な野蛮の色だった。現代では、青は、最も好まれる色として勝利を収めている。フランスの紋章学の鬼才・パストゥローが、古代社会から現代にいたる青の“逆転の歴史”を、聖母崇拝と青、フランス王家の紋章への青の採用、宗教改革以後の倫理規範と青、さらにはジーンズと青など、西洋史のなかの興味深いエピソードとともに鮮烈に描き出す。

内容(「MARC」データベースより)
ギリシア・ローマの人々にとって、青は不快な野蛮の色だったが、現代では最も好まれる色となっている。フランスの紋章学の鬼才が、古代社会から現代に至る青の「逆転の歴史」を西洋史のエピソードと共に鮮烈に描き出す。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
パストゥロー,ミシェル
1947年生まれ、古文書学校卒、高等実習研究院第四部門教授。紋章学、色彩・動植物の歴史人類学専攻

松村 恵理
1962年生まれ、学習院大学大学院博士前期課程修了、ジャポニスム・近代装飾美術史専攻。主要著書『壁紙のジャポニスム』(思文閣出版、ジャポニスム学会賞受賞)

松村 剛
1960年生まれ、東京大学大学院助教授、中世フランス文献学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

「悪魔の色」が見えない?4
 青色が、空や水を表現する色として、また癒しや爽やかさなど、青色に対して好意的なイメージを現代人の大半が抱くようになるには、少なからぬ障害があったことを、まず本書で知りました。宗教、芸術、政治、流行、染料の観点から、豊富な図版や逸話と共に紹介した内容は、読みやすく興味深いものがありました。ただし、口絵以外は、色の歴史だけにモノクロなのが残念でした。蛮族が好む色として、古代ローマでは人気のなかった青色が、中世になってステンドグラスや美術工芸の発達にあわせて、聖母マリアやフランス王家を表すカラーとして、認知され、ゲーテの『若きヴェルテルの悩み』に登場する主人公の着る青い燕尾服から、ファッションとして流行し、フランス革命に至っては、三色旗との関連で政治問題と化し、軍服のマリンブルーやジーンズの登場により、青色が大衆化してゆく過程は、一部を除きほとんどがヨーロッパ、とりわけフランスを中心に語られています。中世では、色によって厳格に区別されていた染め物業において、それまで主流だった赤色の染め物師が、画家に、地獄や悪魔を表現する色として、流行の兆しを見せつつあった青色を使わせおとしめようと画策した話などは、面白く思いました。

青の勝利5
色の流行やイメージは、地域、文化、時代によって変わっていく。本書は、青という一つの色に焦点をあてて、
フランスを中心とするヨーロッパにおける「青」の歴史を辿った労作である。すごい情報量だ。
先ず筆者は、色について研究する際注意すべきこと、色の研究を取り巻く問題点を、序論で明確に指摘する。
こうしたしっかりとした問題意識の上に書かれた本書では、青の歴史を絵画だけでなく布の染色、紋章、ステンドグラス、
染料の生産と輸入、製造法、宗教改革が与えた影響、などあらゆる方面から考察している。
青が、ギリシア・ローマでは「蛮族」つまりケルト人、ゲルマン人の色として低い地位にあったのに、
中世にかけて聖母マリアの衣服の色になったり、フランス王家の紋章に使われたりして地位を上げ、
高い地位を占めていた赤と競合する様子を多方面から述べていく。そして、宗教改革により厳格なプロテスタントにとって、
黒が重要な色となるなか青もその列に加えられ、画家にも使用され、近現代において人々が一番好きな色になるまでを明晰に描く。
このように古代から現代(国連、EUの旗やブルージーンズまで)を扱っているが、特に中世期の記述は詳しく、
赤の染色職人と青の染色職人が競合する様子や、色は光(神のもの)か粒子に過ぎないか?といった聖職者達の議論は面白い。
また、フランス国旗の青、白、赤は「自由、平等、博愛」だが、実際はそう単純なものではなかったこともわかり興味深かった。
豊富な傍注と参考文献が付き、論文としてもしっかり書かれている。訳文は所々読みにくいが、原文の仏語が、
いつまでもピリオドが来ないような文章が多いので致し方ないだろう。巻頭にカラー図版つき。
ただ本文中の図版は白黒なので色がわからず、採算が合わず仕方ないのだとは思うが残念であった。

「色」は商品でもあった4
「青」という色の意味合いとその重要性を歴史を追う形で解説してあるのだが、いろいろと新鮮な発見があった。

「色」というものは単なる表現の一要素ではない。それをつくり出すために必要な染料がどこで、どのようにつくられ、どれほどの量がどのように伝播したかも重要な点であり、それは時として商品相場を大きく揺るがす要因ともなりえたのだという。つまり「色」の流行は経済要因でもあったのだ。

そしてそれが受け入れられるレベルによってその「色」の意味するものも大きく異なって来る。当然比較文化的な要素も加わり、同じ「青」でもいろいろな意味合いを持つのだ。

単に「青色」だけではなく、「色」全体について新しい視点を与えてくれた本だった。

ただ哀しいかな最初の方の翻訳がいかにもぎこちなくて読みにくい。また、予算の関係もあるのだろうけれど本来ならカラーのはずの図版がほとんど白黒であるために意味するところがわからない。もうちょっとリッチにつくって欲しかったと思う。