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説得 (ちくま文庫)

説得 (ちくま文庫)
By ジェイン オースティン

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  • 発売日: 2008-11-10
  • 版型: 文庫
  • 430 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
准男爵の娘アン・エリオットは二十七歳、独身で、影の薄い存在だ。八年前、周囲から反対されて海軍軍人のウェントワースとの結婚をあきらめたことが、いまだにアンの心に影を落としている。しかし、そんなアンに思いがけない再会が待ち受けていた。イングランドの美しい自然を舞台に、人生の移ろいと繊細な恋心をしみじみと描くオースティン最晩年の傑作。定評ある読みやすい新訳で贈る。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
オースティン,ジェイン
1775‐1817。イギリスの小説家。おもに結婚話を題材とした、平凡な日常生活のドラマを皮肉とユーモアをもって描き、完璧な芸術へ高めたと言われる。一見同工異曲の結婚話だが、六冊の長篇小説のヒロインたちはすべてタイプが違い、異なった趣向が凝らされていることも特筆に値する

中野 康司
1946年神奈川県生まれ。青山学院大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

オースティンらしい物語。自然な翻訳が読みやすく、しとやかで聡明なヒロインが魅力的5
主人公のアンは、准男爵の二女。ある事情から婚約を破棄した過去を持ち、そろそろ婚期を逃しそうな年齢に差し掛かっています。

またしても、ヒロインの結婚までの紆余曲折を描いた物語。いかにもオースティンらしく、登場人物の性格が、端役に至るまで生き生きと描写されています。壮年の男性としては愚かしいほど器量自慢の父、美貌で尊大な姉。ふたりの影に隠れて普段はちっとも目立たないアン。ところが、ある事件をきっかけに...

やっぱり、オースティンはいいですね。ヒロインは「エマ」や「高慢と偏見」のヒロインに比べるとまじめで堅苦しい感じですが、控え目ですが芯が強く、また違った魅力があります。オースティンが好きな方ならきっと満足できると思います。翻訳も自然でとても読みやすかったです。

自然な翻訳です5
この方の翻訳はどれも現代の日本語でとても読みやすいです。センテンスの切りどころがほかの翻訳本と違い、それが読みやすさにつながっているのか、理解できなかった箇所が今回「なるほど、そういう意味か」と理解できました。テンポも良く、アンがウェントワース大佐と7年ぶりにあったシーンの短い単語が続く書き方は、英語の原文に一番近いと感じました。主人公アンの焦る様子がすごく伝わってきます。そして最後のウェントワース大佐の手紙も、いちばん甘い(ロマンスっぽい)翻訳になっていると思います。

オースティンの全作品ではこれが一番好きです。人間の心の動きをものすごくよく捕らえていると思います。200年前でも社会の中で生きていくには?人とかかわっていくには?など、まったく現在の私たちと変らない不安や喜びが書かれています。オースティンを読むといつも私は、人間はそうそう変らないものだと親近感が沸き、私とオースティンが200年を超えてつながる気がします。よい文学というのはそういうものなのだと思いました。

最後の手紙のシーンはハラハラドキドキします。手に汗握るとはこのことか?です。オースティンが病身をおして書き換えたというこのシーンは、作者が、そして作品が永遠になった理由であると思います。書き換える前のシーンはBBCのドラマで挿入されています。ですが絶対に書き直したこちらが感動は大きいです。これが絶筆だとのことです。

高慢と偏見のエリザベスのように、カラッとした明るい主人公ではありませんが、人間としてはこちらのアン・エリオットが本物のような感じがします。