辰巳屋疑獄 (ちくま文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #164283 / 本
- 発売日: 2007-09-10
- 版型: 文庫
- 313 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
大坂の炭問屋「辰巳屋」は、正徳のころ掛屋(大名相手の金融業)も営む豪商であった。手代460人、家財200万両(現在の2000億円相当)という大企業に跡継ぎ問題が起こると、大坂じゅうの商家、江戸幕府や武士役人の世界、京の公家の世界をも巻き込む一大疑獄事件へと発展した。大岡越前守の日記に登場する史実をもとに、奉公人・元助の目を通して事件のてんまつを描く。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松井 今朝子
1953年京都生まれ。早稲田大学大学院で演劇学を専攻。松竹株式会社で歌舞伎の企画・制作に携わり、フリーとなって歌舞伎の脚色・演出・評論、歌舞伎解説書の監修などを手がける。97年『東洲しゃらくさし』(PHP研究所)で小説家デビューし、『仲蔵狂乱』(講談社)で第8回時代小説大賞を受賞。2007年『吉原手引草』(幻冬舎)で第137回直木賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
足るを知る
大岡越前守の最後の事件と紹介されています。見出しの一つに「大岡忠相の憂鬱」というところがあるように、訴えた方も訴えられた方もという感じの事件です。江戸時代のことであり、帳簿の改竄や収賄など日常茶飯事だったのではと思います。この事件は、大阪と江戸では裁決が分かれてしまいます。それも、どちらが上位の人物に話を通したかで決まってしまうという、何ともしっくりこない結果になります。
そうした中で、この話の進行役元助の純朴な一途さが溜まりません。そして、彼の人生の師とも言うべき万年先生の「欲心」を戒める言葉が響きます。口下手で生き方も上手くないこの主人公が、最後には「聖人」のように思えてきます。
この何ともやりきれないような決着を見た事件の最後の最後に、思いもかけない人の働きで更に意外な最後が待っています。経緯はどうあれ、このラストの「湖畔の晩鐘」が、読む者をほっとさせ、気持ちよく読了となります。このあたりが、作者の上手さというか、サービス精神でしょうか。




