福永武彦 (ちくま日本文学全集)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #309708 / 本
- 発売日: 1991-09
- 版型: 文庫
- 477 ページ
カスタマーレビュー
バランスのとれた一冊。
学生時代、卒業論文のテーマに福永武彦を選んだのはもう10年以上前。
いつも福永氏の小説や評論をバッグに入れて持ち歩き、
幾度となく読み返しては鉛筆で線をひいたり
細かく書き込みを入れていったり・・・
この本もその当時の思い出の一冊。
福永武彦の小説を読み解くとき、
キーワードになりうるであろう単語がいくつかあるように思う。
「愛」「孤独」「生」「死」「水(河・海)」・・・
本書には、これらをテーマにした小説がバランスよく収録されている。
時を経てなお、私の本棚に納まっている理由もそこにあるのだろう。
一般に長編『忘却の河』が最も小説として完成度が高く、
福永氏の代表作であるといわれるが、
例えば本書に収録されている『心の中を流れる河』も
短編ながら実にまとまりの良い作品だ。
愛を失った女性の孤独と、若さに裏打ちされた青年の情熱。
登場人物の視点が入れ替わり、時に交わり、
小説の展開に広がりと奥行きをあたえてゆく。
まるで音楽でも聴いているかのようなこの構成は
まさに福永氏の意図したものである。
全体の文章は平易でありテーマもわかりやすい。
短編になるほど、時に表現が直球になり過ぎる感がなくもないが、
小説に込めようとしたメッセージを汲み取るには
むしろこういった作品群からの方が入りやすいかもしれない―。
そんなことを感じさせてくれる一冊だ。
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でも、正直、「詩人」としての福永武彦は
個人的にはあまり好きになれないんですけどね(笑)




