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江藤淳コレクション〈2〉エセー (ちくま学芸文庫)

江藤淳コレクション〈2〉エセー (ちくま学芸文庫)
By 江藤 淳

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  • Amazon.co.jp ランキング: #565929 / 本
  • 発売日: 2001-08
  • 版型: 文庫
  • 594 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
昭和を代表する批評家・江藤淳にとって、「戦後」とは何であったのか。母、祖母など自らの一族の来歴を丹念に辿り、その生を浮き彫りにする「一族再会」、アメリカから帰国した著者夫妻が日本で居を定めるまでの心の渇きを綴る「日本と私」、批評家にいたるまでを生い立ちに見出す「文学と私」、早世した作家との交情を描く「山川方夫と私」、人生における最も大切な記憶を語った「渚ホテルの朝食」などエセーを収録。記憶は今、ふたたび喚びおこされなければならない。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
江藤 淳
1933年生まれ、文芸評論家。1957年、慶応義塾大学卒業。1956年、結核療養中に『夏目漱石』を執筆、1958年『奴隷の思想を排す』で新進評論家としての地位を確立。1962年より2年間在米。1976年、芸術院賞受賞。1999年没

福田 和也
1960年生まれ。慶応義塾大学大学院修士課程修了。現在、慶応義塾大学環境情報学部助教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

エセーで、名文を堪能する5
江藤淳の堅い文芸評論を読まない人にも、江藤のエセーは一読をすすめたい。
江藤の日本語の美しさは、戦後日本最高のものであろうし、彼の繊細な平衡感覚と強い美学に支えらられた誠実さを強く意識することができるからである。

「保守派」と呼ばれた江藤であったが、他の保守派の論客と全く異なり、敵対するいわゆる左翼陣営からもその孤高の偉業に敬意を払われていた。
そのことはこのエセーを読めばおのずから理解できる。
主義主張の前に、自身の「喪失感」を静かに、しかし強く語り続けた昭和最高のエッセイストとも言えるだろうか。

「私は昔がよかったから昔にかえれといっているのではない。むしろ昔にかえれるはずがないという喪失感を語っているのである。」

「「平和」で「民主」的な「文化国家」に暮し、敗戦によってなにものも失わずにすべてを獲得したと信じ、その満足感がおびやかされることを「悪」の接近と考えている人たちに、戦時中ファナティシズムを嫌悪しながら一国民としての義務を果し、戦後物質的満足によっても道徳的賞賛によっても報われず、すべてを失いつづけながら被害者だといってわめき立てもせず、一種形而上的な加害者の責任をとりながら悲しみによって人間的な義務を放棄しようとは決してせず、黙って他人の迷惑にならぬように生きている人間もいるということを知っていてもよいだろうというのである」(「戦後と私」)