それでも子どもは減っていく (ちくま新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #11327 / 本
- 発売日: 2009-11
- 版型: 新書
- 232 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
出生率低下は成熟社会に伴う必然。それにもかかわらず為政者は子どもを未来の「労働力=納税者」として増やそうとする。本書が明らかにするのは、そうした思惑とは裏腹に、産むことを拒み、あるいは少なく産むことを望んでいる女性たちの実態であり、また、「いま、子どもである人々」の存在意義である。少子社会はその当事者にとってどのような意味を持つのか、「子ども学」の第一人者が展望する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
本田 和子
1931年生まれ。元お茶の水女子大学初代女性学長。お茶の水女子大学名誉教授。児童学、児童文化論、児童社会史専攻。児童研究の史的検討、20世紀子ども観、特に、児童中心主義・学校化社会・優生学の複合連環、「少女というカテゴリー」の生成と消長などが研究テーマ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
少子化は歴史的必然であることを提示
先進国では、少子化対策によって出生率は若干上昇するが、人口維持の2以上に回復はしない。著者は、その原因を6つに整理する。(1)農業から工業への産業転換により、土地と結び付いた大量の労働力確保が不要化、(2)子供の高学歴・高費用化によって多数は持てない、(3)都市生活による職住の分離、(4)新しいコミュニケーション・ツールによる親子の価値観の分離、(5)通過儀礼がなくなり「成人」概念の流動化、(6)若者におけるエロスの衰弱。どれも大きな問題だが、政府の政策で変えられるようなレベルの話ではない。著者は、このような大きな歴史的傾向と社会の深部の変化を冷静に分析する。つまり、先進国では「人間の生き方」そのものが変わってきたのだ。我々は、少子化の必然性をきちんと理解し、それを前提に社会の制度設計をし直すことが必要である。これはけっして悲観すべきことではなく、適正人口のあり方は、特定の国単位ではなく、地球全体という視点から、はじめて言えることだからである。
ホンモノの人。
スタンスがいい、視点もいい。スタンスとは歴史から学ぶ姿勢であり、当事者から発想する姿勢だ。そして視点とは、例えば目次に並んだ、「科学」される子ども、「学校の生徒」となる子ども、「数学」で計られる子ども、等の視座をさす。 それもそのはず、著者は児童社会史に通じた名うての学者。しかも、お茶の水女子大の学長をつとめた実践の人でもまたあるからだ。ちなみに前著『子どもが忌避される時代』(新曜社、単行本)も、その透徹した思考と確かな筆致に驚かされた。 ただ、本書後半部分の歯切れはよくない。主張が見えにくくなっている。 しかしそれでも、これが必読の書であることはさまたげない。見事に構造化された「目次」一つとっても、これが大勢の人のこの問題に対する大いなる思考の助けにきっとなるように思えるからだ。企業の人事をあずかる私も、もちろんその例外ではない。 それにしても教養の力おそるべし。ご年配の方の、鍛え抜かれた知性と達意の文章おそるべし。そんな醍醐味も意図せず味わえる一書になっている。




