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部長の経営学 (ちくま新書)

部長の経営学 (ちくま新書)
By 吉村 典久

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  • 発売日: 2008-04
  • 版型: 新書
  • 254 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
ここ数年、会社をとりまく情況が揺らいでいる。企業買収、無理な増配要求、安定株主工作を批判する投資家。会社経営が、投資家の短期的な論理に振りまわされ、長期的な成長の青写真を描くのが難しくなった。こうした変化のなかで、繁栄の果実を手にするために、会社は何をなすべきなのか。その鍵を握るのは、部長・課長だ。「ウチの会社」に深く関わるミドル層は、会社に活力をもたらし、変革を導くパワーを秘めている。混迷の時代における企業の成長戦略を明確に記した、すべてのビジネスパーソン必読の経営論。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
吉村 典久
1968年生まれ。学習院大学経済学部卒。神戸大学大学院経営学研究科修士課程修了。03年から04年Cass Business School,City University London客員研究員。博士(経営学)。現在、和歌山大学経済学部教授。専攻は経営戦略論、企業統治論。著作に「発言メカニズムをつうじた経営者への牽制―日本の伝統社会からみた可能性と多様な実験のすすめ」(若手研究者向け経営倫理に関する懸賞論文・奨励賞受賞、日本経営倫理学会主催)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

内容が本当にミドルの経営論だったら面白かったのだろうが・・・2
タイトルに反し、本書の主役はミドルではない。間違ってもミドルの経営術みたいなハウツー要素を期待してはいけない。内容は著者の専門である企業統治論、わけても「企業の統治者は誰か」という議論が大半を占める。主な内容は、「持ち合い批判」「投資家優位」「同族経営批判」「親子上場批判」「委員会設置会社」など現代の企業統治トレンド(と思われる考え)に異議を申し立てる内容。こうした異議の上で、「長期的視点で会社の利益を考えられるのはミドルだ」と著者は主張する。ミドルはあくまで「適当な統治者の1種」として登場するに過ぎない。ミドルがどう経営をハンドルしてきたか実例が豊富にあれば、それはそれで「部長の経営学」として読めたのだろうが、残念ながら本書の中核をなすほど多くはなかった。

投資家批判や同族経営の議論はかなり議論されているので、本書の内容は大体知る範囲だったが、委員会経営が効果がそれほど上がっていないというのは興味深く、企業統治論としては面白い。また、セイコーの内紛やエルピーダメモリー、DOWAホールディングスの革新的な経営など、自分の知らないことも多く関心を持たせるものだ。ただ、内容は結局「企業は誰のものか」なので、タイトルとの乖離は不満。ちなみに、各章ごとに小括がある。好みの問題だろうが、ただでさえ薄い新書なのだから、内容をいちいち要約する必要もないし、その分内容を入れてほしいと個人的には思った。

現場こてこての部長さんには読んでもいいかも4
上級管理職に近い部長も所詮は現場ではちまちましたマネジメントをしていること然りだと思います。

そういう人にはぜひ読んでいただきたい内容です。
やっぱりぼちぼち経営的視点で物事を見ていかないといけないのね、ということに気づかされます。
だけど、経営サイドが部長にそういう視点を本当に求めているのかというとちょっと疑問なところがあります。やはり、トップから変えていかないといけないのでしょう。

主張の根拠は?3
世の多数を占めるミドルにとってはすがすがしい主張だが、その根拠は明示されているだろうか?
短期主義ではない長期主義の経営者が成功する例ばかり示されているが、失敗する例も山ほどあるように考えられる。
仮に資本市場における行き過ぎた自由主義が問題であるなら、上場廃止や優先株発行などで対応すればよいのではないだろうか。
ミドルの経営参加は美しいが、それこそ大変な混乱を招く可能性をどう否定するのだろうか?
このようにいろいろ考えさせられる良書です。