「小さな政府」を問いなおす (ちくま新書)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #38200 / 本
- 発売日: 2006-09
- 版型: 新書
- 250 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
バブル崩壊以降、「小さな政府」を求める声が高まった。政府の市場への介入を最小限にし、個人の自己責任を重視することによって市場の効率が高まり、経済成長も促進され、国民の負担も軽減される、という自由主義的な考え方だ。具体的には、小泉構造改革が主軸に据えた規制改革や特殊法人と郵政の民営化や、地方財政改革、公共事業の削減などである。だが、その結果は勝ち組・負け組を鮮明に分け、格差社会を招いたとも言われる。今あらためて「小さな政府」の功罪を問いなおす。
内容(「MARC」データベースより)
規制改革や郵政民営化などを主軸に据えた小泉改革の結果、個人間、企業間、地域間の所得や利益の格差が拡大したという声が高まった。「小さな政府」のもとで起きる「格差」をどのように考え、対処するかを検討する。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
岩田 規久男
1942年生まれ。東京大学経済学部卒業、同大学院修了。学習院大学経済学部教授。深く確かな理論に裏づけられた、幅ひろく鋭い現状分析と政策提言はつねに各界の注目をあつめている。編著『昭和恐慌の研究』(東洋経済新報社)で第47回日経・経済図書文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
リフレ派は反「小さな政府」ではない
いわゆる(というのは当の本人はこの名称を使っているわけではないが)リフレ派の総帥による「小さな政府」のすすめである。世の中の短絡的な人々の中には、反小泉=抵抗勢力=積極財政派=大きな政府という公式から、リフレ派もそうじゃないかと思っている人も多いが、そうでないことを、丁寧な説明によって、その誤解を解いています。
小泉内閣で起こったことは、良いこと(例えば景気回復)、悪いこと(いわゆる格差)もすべて「構造改革」のせいにする傾向が、賛成する側も、反対する側にもあるが、これがどちらも間違いであること。また、「小さな政府」推進派として、小泉内閣を採点すると、公共事業を削減したことは大きな成果であるが、後の政策は道路公団のように、中途半端か、市場化テストのようにようやく始まったばかりのもので、「小さな政府」としては、まだまだであると採点しています。
もちろん、リフレ派ですから、ここぞというところで「インフレターゲット」もでてきますが、控え目です。世の中にはびこっているリフレ派に対するいわれなき誤解に丁寧に答えた書なので、リフレ派=抵抗勢力と考えている人は是非一読をおすすめします。
日本の財政政策 処方箋
「小さな政府」の良し悪しを考える本。
「構造改革」は財政政策で、大きな政府を求め、結果の平等を求めると、結局生産性が低下するということを、説得力もってかつ簡易に説明する。
「結果の平等」じゃなくて「機会の平等」を求めるべきと言い、具体策も述べられる。
世間の、親小泉か反小泉の2分法に疑問を投げかけ、小泉構造改革を評価した上で、バッサリ切るのも
岩田規久男ならでわ。
小泉前首相を評価するにも批判するにも、これに書いてあることぐらい知らないと恥ずかしいだけになるくらい常識になってほしい。
財政政策の構造改革を激奨する一方で、こんにちの経済状況では、財政政策だけでは経済は改善しない
=金融政策がタイアップしてないと痛いだけというのが、著者の考え。
同じ著者の
日本の金融政策の処方箋「日本経済を学ぶ」と「日本経済にいま何が起きているのか」も読まなきゃ絶対損。(インフレ目標・リフレ派)
「新自由主義」への信条表明
M・フリードマンの流れを汲む「新自由主義」に基づく経済政策への信条表明。ケインズ主義的福祉国家は政府を肥大化させ、高インフレ・高失業というスタグフレーションを引き起こす。このため、現代版貨幣数量説に基づくマクロ安定政策と、これに加えて、競争的な市場の下での経済的自由を確保し、政府の役割をできるだけ縮小することで、人々の勤労意欲を高めつつ国民所得の向上させる方向性が示唆されている。
その上で、「低所得者の所得も増加するが、それ以上に中所得者以上の所得が増加することによって拡大する所得格差」については許容し、格差問題への対応としては、「機会の平等」を確保することが求められ、その観点から、教育切符制度、公的な能力開発支援等は有効であるとする。また、長期的にインフレ率を2%程度に維持する金融政策の重要性を指摘しており、極めて妥当な内容であると思えた。
さて、ここで所得再分配について考えたいが、M・フリードマンの考え方に従えば、累進的な所得税率は国民所得の向上にとってマイナスとなる。一方、低成長・少子化の社会が今後も続くことを前提とするならば、再分配政策はさらに重要性を増すことになる。これらを踏まえた上で、現実の税制をどうすべきかとの問いは、「大きな政府」か「小さな政府」かという二律背反を超えて、政府のあるべき「大きさ」を問うものであり、これに回答を出すことは現時点では留保せざるを得ない。まずは、我が国の潜在成長率はどの程度であり、かつどこまで高めうるのか、との点に回答を出しておく必要があるだろう。





