もてない男―恋愛論を超えて (ちくま新書)
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商品の詳細
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- 発売日: 1999-01
- 版型: 新書
- 199 ページ
エディターレビュー
メタローグ
万国のもてない男よ団結せよ。今、時は来た。宮台真司の如きもてまくり男や、セックスしなきゃ現代思想の深さはわからないなどと書き腐る上野千鶴子の時代は去り、我らもてない男の怨念をはらす時は近い。信じよ、信じるものは不幸なままだが。見よ! 我らがバイブルはここに降ろされた。童貞の苦しみ・不安から、もてない男の嫉妬や孤独、さらに〈おかず〉やオナニー道具の歴史から「恋愛不要論」の連戦連敗ぶりまで、今までアカデミズムとやらが省みようともしなかった我らの情念のすべてがここにはある。小谷野教祖を信じていれば我らに一切の迷いなし! ああ、書いていてなんだかとっても虚しいのはなぜ。(守屋淳)
『ことし読む本いち押しガイド2000』 Copyright© メタローグ. All rights reserved.
内容(「BOOK」データベースより)
歌謡曲やトレンディドラマは、恋愛するのは当たり前のように騒ぎ立て、町には手を絡めた恋人たちが闊歩する。こういう時代に「もてない」ということは恥ずべきことなのだろうか?本書では「もてない男」の視点から、文学作品や漫画の言説を手がかりに、童貞喪失、嫉妬、強姦、夫婦のあり方に至るまでをみつめなおす。これまでの恋愛論がたどり着けなかった新境地を見事に展開した渾身の一冊。
カスタマーレビュー
私もまた「もてない男」である。
この本が売れてから自慰とか童貞をテーマにした著作がいろいろ出たけど、たいがいはゴミのような駄本ばかり。真面目なアカデミズムの研究者が奇をてらったつもりでこういうテーマに手を出すんだろうけど、内容は「いろいろ調べました。えらいでしょう!」て感じの似たようなものばかり。つまり、いろいろ調べてみたあげく、著者にとって調べた内容がどういう意味を持ちそこからどのような提言ができるのか、っていう考察に欠けるわけ。
だが『もてない男』は、全然ちがう。
小谷野氏の、かつてもてなかったことに対する「恨み節」が、異様な迫力をもって伝わってくる。なぜなら、もし現代日本のほとんどの男性が「恋愛教」に侵されているのなら、その誰もが「もてない男」である恐怖からは決して逃れられないからである。恋愛を至高の価値として認識する限り、人はそんな強迫観念に常に付きまとわれる。その袋小路から逃れようとする小谷野氏の苦闘が、時にほほえましく時に手前勝手な屁理屈に思うこともあるが、そんなことはこの本のすばらしさからすれば大した問題ではない。
ところで小谷野氏の著書の内容って、驚きでガツンと頭をぶん殴られたような知的衝撃を受けるときと、あまりの手前勝手な議論に腹が立って著者の頭をぶん殴りたくなるようなときが交互に訪れるような気がする。そんな意味でいえば、この本は「殴られ率」が非常に高かったので、ところどころで著者の頭をぶん殴りたくなるような手前勝手な表現に出くわしても、なぜか「まあいいや」と許してしまったのだ。逆に、そのとき著者の本音が垣間見えたようでほほえましく思えてしまった。それは、不覚にも小谷野氏に「愛」を感じてしまった瞬間だったのか!?
辛い本です
小谷野さんが天然のモテない男なのか、モテない男を生きようとしているのか、その真意はわからなかった。
ただ、自分のように本当にモテない人間の渇望欲求は性的弱者ではなく、恋愛弱者としてのそれであるというのは実に女性にもわかってほしい点です。風俗で済むようなら誰も苦しんだり悩んだりしません。
先日読んだ、高岡健「新しいうつ病論」では、うつ病生起の要因として、状況構成という概念を強く示唆していたけど、恋愛弱者は、恋愛を含めた状況構成に困難を抱える人と理解することもできなくはないような気がします。弱者論は好きではないので、状況構成困難者と言えばよいのか...医者なら、状況構成障害と言いそうだけど。
余談だけど、本屋のレジの若くて綺麗なお姉さんは、普段文庫本の時しか言わないのに、この時は「新書にカバーおかけしますか?」って。
「要りません」と言った後、勝手に落ち込んだ私でした。
壮大な「愚痴」に学べ
本書は、一言でいうと「愚痴」である。書籍という「出版物」で繰り広げられる、
古典からの引用をも巻きこんだ、著者の壮大な「愚痴」だ。
「あとがき」で著者自らが『私は「私怨」で書いている』と述べている通り、本書は
「もてない男がボヤく、私怨エッセイ」である。いい大人のオトコが、ここまで
赤裸々に本音や嫉妬や愚痴を言うのは、とても勇気のいることだと、アタシは思う。
この本は「愚痴」として拝聴すれば、とても楽しめるし勉強にもなる。つまりこれは
「一芸にまで達した、壮大な愚痴」であり、「もてない男の本音を晒した、貴重な
一サンプル」なのだ。「オトナ気ないこと」を懸命に述べ、ダダをこねる著者の姿は、
キュートですらある。
ただし、本書の正体は「もてない男」の皮をかぶった「ウルトラスーパー強者の理論」
でもあるので、注意が必要だ。著者の恋愛・結婚に対する理想があまりにも高く、
実践向きではないのだ。「もてないということは、別に恥ずべきことではない」と
あるが、それでももてたい男に対しては、本書はまったく救済にならない。
反面教師にでもしない限りは、これを読んでも絶対に「もてる男」にはならない。
おそらく、著者は「俺はもてない」と言っていたい、確信犯なのだ。敷居の高い、
理想の「モテ」が実現困難なことなんか、著者はとうぜん自覚している。本音は
「妥協するくらいなら、もてなくていいよ! 放っといてくれ!」だ。著者は、
自覚して「もてない男」であることを「選んだ」のだ。
これは、我々オンナからすると、怖れるべき事態ではないだろうか。男は「理想が
叶わぬくらいなら」と、「女にもてること」を拒みだした。これが「男の本音」で
あるならば我々オンナは、心してそれを拝聴し、至急に対策をたてねばならない。





