商品の詳細
シェイクスピア全集 (7) リチャード三世

シェイクスピア全集 (7) リチャード三世
By W. シェイクスピア

価格: ¥ 924 1500円以上は送料無料 詳細

発送可能時期: 在庫あり。
販売、発送は Amazon.co.jp

10 新品/中古商品価格 ¥ 180

おすすめ度:

商品の詳細

  • Amazon.co.jp ランキング: #215258 / 本
  • 発売日: 1999-04
  • 版型: 文庫
  • 289 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
「口先で奇麗事を言う今の世の中、どうせ二枚目は無理だとなれば、思い切って悪党になりこの世のあだな楽しみの一切を憎んでやる」。世界を憎悪するリチャードは実の兄を陥れ、殺した敵の妻を口説き、幼な子を惨殺し、利用しつくした臣下はごみのように捨て―。奸計をつくして登りつめた王座に、破滅はあっけなく訪れる。爽快なまでの「悪」を描いた傑作。


カスタマーレビュー

シェイクスピアが描く魅力的なピカレスク5
四大悲劇を読んでみたけどどうもピンとこなかったという人や、シェイクスピア初心者にもおすすめできる「悲劇」。(一般には歴史劇に分類されますが、原題がThe tragedy of ~となってるように内容は典型的な悲劇)

プランタジネット朝最後の王リチャード三世を主人公にしたこの劇は、『ヘンリー六世三部作』の歴史的経過を前提にしているので、実は結構フクザツな背景があり正直ややこしいです。
けれど率直に言って歴史的背景を知らなくても十分すぎるくらい楽しめる作品。

なんといっても、見た目はブサイク腹の中は真っ黒なリチャードのスマートな悪党ぶりと人間臭い魅力が『リチャード三世』の醍醐味。複雑な背景にも関わらず、とてもわかりやすくて共感しやすい「人間悲劇」として楽しめる仕掛けになっていると思います。

とはいえ、歴史的背景が全然わからないと、「この人たちどうして敵対してるの?」とか「やたら出しゃばるこの婆さんは何者だ」とかスッキリしない思いをしてしまうところなんですが、その点ちくま文庫のシェイクスピア全集は、全ページの下部に注釈覧があるので、最低限必要な情報はその場で確認できて便利。個人的にはちょっと親切設計すぎてたまに「ありがた迷惑」に感じるところもありますが。
そして松岡和子さんの翻訳がナチュラルで親しみやすく、でもきちんと重みもある日本語になっていてすごくいい。シェイクスピアの日本語訳は世に何十とありますが、彼女の翻訳は一読の価値あり。

「原語のひびき」が生きる訳5
蜷川シェイクスピア・シリーズで採用されている最新の訳である。
 ちなみに今まで劇場で見た「リチャード三世」は
2008年12月…古田新太/赤坂ACTホール(三神)
2006年 7月…子供のためのシェイクスピア(小田島雄志)
2003年12月…市村正親/蜷川・彩の国(松岡)
 松岡訳は「原語のひびき」を生かそうとしているのが特徴で、手持ちの訳でリチャード三世最後の有名なセリフを比較してみると、



原語:A hose! A hose! My kingdom for a hose!

三神:馬を貸せ馬を!馬は無いか、褒美にこの国をやるぞ!

小田島:馬をくれ、馬を!馬のかわりにわが王国をくれてやる!

木下:馬を!馬を!王国などくれてやる、馬を!

松岡:馬を引け、馬を!代わりに俺の王国をくれてやる、馬!


 というわけで、松岡訳は木下訳にも近いけれど、絶妙に練りこんであるのがわかる。口にしたときの響きが一番迫力があると思う。これに「市村正親」の凄みのある声の記憶を重ねてみたらやっぱり最高。
 「馬」の配列だけでなく「俺の王国」という言い回しがまた良い。日本語に訳すときに主語を省略するのは常套手段だけれど、ここは「My=俺の」を生かすのが、「その手で王国をもぎ取ったリチャード三世らしい」という感じがする。 (小田島訳も「わが王国」となっていて通じるものがある)

 訳の良さの他には、脚注に「史実との関係」が色々補足してあるのがためになる。特に家系図etc.を書きながら読んでいる私の場合、欠かせない情報だ。
 同じ人物が前作「ヘンリー六世」でどこに登場するかも、あちこちに説明してある。
 元になった戯曲の版の取捨選択についてもこと細かく書いてある。
 総じて、マニアックで情報量が多くて、既に他の翻訳を持っている人にも、読む価値がある。