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たびを

たびを
By 花村 萬月

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  • Amazon.co.jp ランキング: #255411 / 本
  • 発売日: 2005-12
  • 版型: 単行本
  • 1005 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
スーパーカブを駆って日本一周をつづける、十九歳、浪人生のひと夏の物語。旅先での友情、憎悪、つかの間の恋…花村文学の旅立ち。

内容(「MARC」データベースより)
スーパーカブを駆って日本一周をつづける浪人生・虹児。旅先で出会う友情、憎悪、つかの間の恋…。19歳のひと夏を描く物語。『週刊小説』『月刊ジェイ・ノベル』連載を単行本化。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
花村 萬月
1955年、東京生まれ。’89年、『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞し、作家デビュー。’98年、『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞、同年、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を各受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

いい本でした。4
タイトルとタイトルのイラストに惹かれ読みました。
完成までに長い年月がかかっていることもあってか
やや整合性のとれていない部分や
出会いについてご都合主義な点もある気がしますが、
最後までしっかりと楽しむことができました。

萬月氏の作品特有の理屈っぽい問答や
薀蓄が旅というジャンルに
うまくはまっているように感じました。

特に自分の知らない土地については
勉強になり、旅をしたいなあと思わされます。

ただ、分厚いので読み終わるまでに根気は必要です。

圧倒的存在感!?4
年末書店店頭での圧倒的存在感。
その厚み、ブト(太)さかげんはなんだ!

弁当箱をはるかに越えている。
見たこと無いが曙の弁当箱があるとすれば、この位かも・・・。

ちょうど1000ページに『マンスケ』の心意気が。
そして各所に満月節が散りばめられ、
しっかり触覚を刺激する場面も次々と・・・。

「たびを」
余韻の残るタイトルは読者にそれぞれのたびを促がし、
そしてたびの途中を確認させる・・・。

虹児も私もまだまだ旅の途中。
まだまだ旅は続く。
曙の弁当箱もまだまだ
未完のごく一部ワンシーンに過ぎない。

『花村文学の旅立ち』
これが満月の全てではもちろん無い。
でもこんな満月が
・・・私は好きだ。

いいよ3
 これは花村作品を読むたびに常々思うことでもあるのだが、本書、やはり長すぎるような気がする。そこが氏の特徴でもあるのだろうが、それにしても……と感じてしまう程の長さである。1ページ2段式で、1000ぺージ、400字詰め原稿用紙に換算すると2500枚程度はいくのではなかろうか。
 昨今の小説家のほとんどは執筆にパソコンを用いているらしい。確かに手書き原稿とパソコン原稿を較べれば、後者の方が削ることも書き足すことも融通無碍であって便利なことは火を見るよりも明らかなのであるが、しかしその反面、その危険性も往々にして認められている。削ることも書き足すことも融通無碍なパソコン原稿は、ついつい長くなってしまうのだ。とりもなおさず、「無意味」な文章が綿々とつづいてしまうということだ。
 本書では、それがかなり顕著にあらわれてしまっているのではないか、と私は思う。たいはんが「たび」の記述となるわけだが、その道中、主人公はあまたの人物に邂逅する。畢竟するに、それらが主人公の拠り所となるわけだが、その裏面には、ただ日本一周の模様を書き写したのでは、何のおもしろみもない、という氏の思惑が透けて見える。もちろんたびというのはそういうものであり、その点には何の歪みもない。けれど、たびそのものをまるまるしたためたのでは、物書きとしてはいかがなものか、とも思う。もっと工夫を凝らし、展開にリズムをもたせてほしい、と。
 それともう一点。さきに『たいはんが「たび」の記述』と書いたのだが、物語の前半にはたびえ赴くまえの主人公の生活模様が書かれている。それもほんの100ページ弱程度のものなのだが、私はここの部分をもうすこしきちんと書いてほしいと感じた。たとえばたびの道中、内省する場面で主人公はまえの生活は自堕落であったと感じる。しかし自堕落な生活ぶりの描写はあまりなく、したがって読者はおおむねいくぶん眉をひそめるであろう。こういうようなことが、氏の小説を読んでいるとよくある。ゆえに完成度も低い。
 とまれ、世にいわゆる厚物作家は案外とすくない。ましてや本書のような大長編を書くことのできる物書きなぞ、指で数えられる程であろう。私としては星3つだ。話の構成にはどことなく釈然としない節もあったが、わりあい楽しめた。