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「夕張問題」 (祥伝社新書)

「夕張問題」 (祥伝社新書)
By 鷲田 小彌太

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  • 発売日: 2007-04
  • 版型: 新書
  • 211 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
あなたの町も、「隠れ夕張」か?
これは、けっして他人事ではない……
夕張市民が見た悪夢の一部始終。
<これでも人は住めるのだろうか>
・税収が年間予算のわずか5%!
・全世帯の四分の一は生活保護!
・客のいない観光施設が放置されている!
・巨額借金の決済を市長に任せっきり!
・過去の栄光を清算できていない!
・若い人が足らず、老人ばかり……
■日本の未来は、夕張の今後にかかっている
日本人である私たちは、生まれると同時に、どこかの地方自治体の一員になります。東京都民にしろ、夕張市民にしろ、自治体の外にはいられません。私たちの日常生活において、「国」よりも「自治体」のほうがより密接であり、もし自治体のサービスを受けられなくなると、鉄道の廃線どころの騒ぎではすみません。
「市」や「町」を、あたりまえにある空気のように思っていると、突然、酸欠死に襲われます。いま「夕張市」は財政再建団体に指定され、市民は酸欠状態です。ここからいかに脱出し、新たな活力ある、老人にも子供にも夢のある街にするには何をなすべきかを、本書は分析し、展望しています。
ひょっとすると、夕張は見事に立ち直るかもしれません。

内容(「BOOK」データベースより)
日本人である私たちは、生まれると同時に、どこかの地方自治体の一員になります。東京都民にしろ、夕張市民にしろ、自治体の外にはいられません。私たちの日常生活において、「国」よりも「自治体」のほうがより密接であり、もし自治体のサービスが受けられなくなると、鉄道の廃線どころの騒ぎではすみません。「市」や「町」を、あたりまえにある空気のように思っていると、突然、酸欠死に襲われます。いま「夕張市」は財政再建団体に指定され、市民は酸欠状態です。ここからいかに脱出し、新たな活力ある、老人にも子供にも夢のある街にするには何をなすべきかを、本書は分析し、展望しています。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鷲田 小彌太
1942年、札幌市生まれ。大阪大学文学部卒業。札幌大学教授として哲学・倫理学を教える。評論活動のほか、哲学書・人生書・時代小説評論などの執筆を精力的に行ない、啓蒙的著作の数々は世代を問わず強い支持を受けている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

夕張問題は夕張のせいだ。3
 最近,北海道各地の書店でよく目に付くようになった本である。
 夕張市の財政破綻問題について,その概要を知るためには良い一冊である。一連の問題を「誰のせいでもない。夕張のせいだ。」と切り捨てるなど冷徹なまでに感傷を持たない客観的な文章はある意味小気味良く,老人イコール保護・福祉と捉えず老人が老人のために活き活きと暮らしてゆける街づくりを推奨していくあたりも斬新な視点と言えよう。
 ただし,再生のシナリオの内容には説得力はあっても具体性に欠け,所詮は第三者的立場にいる学者の机上の論理という白々しさがないでもない。
 

夕張破綻の特異性3
まとまりの悪い作品です。というよりも、言葉とは裏腹に、著者は、相当な思い入れと愛着がこの町にあったのでしょう。この町の破綻を突き放しているように見えて、そうではない部分も散見されます。結果としては、著者の考えがよくわからない支離滅裂な作品になってしまいました。でも、やはり圧巻は、この町の歴史的な経緯を扱った部分です。炭鉱と観光という、共に国に寄生することによってこそ可能であった、身の丈を超えた”ビジネス”モデルの破綻が容赦なく描写されていきます。ここでは、この町の破綻の特異性と不可避性が説得力を持って語られます。そういう意味では、この町の破綻を日本の他の地域にまで、一般化するのは無理があるのかもしれません。”大地を取り戻し””過疎地夕張で快適に生きる”というのが著者の結論のようですが、これはこれで、大学教授のような人々にだけ許されたひとつの贅沢な幻想ですね。”本土内植民地”とも言うべき存在の”北海道”が自立していく困難さに目が向けられることはありません。

リアルな夕張論を展開5
 読んでみて感じたことは、地元在住者である人間によって書かれたことによる強烈なリアル感です。これまで読んだ本は、他者からの視線がちらついて何か物足りない、実感として感じられないものが多かった。
 当然、在住者であるわけですから、夕張に愛情はあるでしょう。しかし、真の愛情とは感傷ではなく、冷徹な理性無くしては成立しないのです。これは筆者の長年から変わらない態度のように思えます。
 この「夕張問題」は、夕張破綻問題ではなく、夕張の成り立ちからいまにいたるまでの歴史を踏まえた検証です。その徹底さはどの本より群を抜きます。だからこそ、今回の破綻も色濃く浮き彫りにされていくのです。氾濫する夕張破綻についてのコメントや関連本の中でも、一読の価値はあります。