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傍若無人剣 (春陽文庫)

傍若無人剣 (春陽文庫)
By 南条 範夫

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  • 発売日: 1998-10
  • 版型: 文庫
  • 186 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
時は天正、太閤秀吉の小田原攻めも間近いある日、加賀前田家の太守利家の甥・慶二郎利太は安江神社の拝殿前に手を合わせていた。「利長ごときぼんくらが跡継ぎでは、前田家の武運はおぼつかない」と。剣は無双、源氏・伊勢の秘伝を受け、和歌・能楽のたしなみも深い文武両道を究めた一門の美青年―が、どっこいこの利太、短気・わがまま・傍若無人、女好き・酒好き・博徒も嫌いではなく、怠け者で仕事嫌い。だから世の中面白い。慶二郎の初恋の女性、利家の三女おまあは今は秀吉の側室加賀の局。「猿めはわたしの恋敵」が口癖のこの男が、わが道をいかんと『前田慶二郎、本日をもって前田利家以下前田藩各士に暇をつかわすものなり』と、名馬松風にうち乗り北陸道へと向かったのだが…。


カスタマーレビュー

前田慶次郎ものとしては最高5
前田慶次郎を描いた作品としては隆慶一郎の『一夢庵風流記』が有名でおもしろいですが、個人的にはこちらのほうが好きです。

この作品では、かぶき者慶次郎の図々しく口の減らないところが強調され、とくに叔父の前田利家との掛け合いは軽妙で、笑いを抑えることができません。電車の中で読むとちょっと恥ずかしいかも…

史料を読み込んで書き上げられています5
かな~り資料を読み込んで書かれた前田慶次が主人公の小説です。
2002年NHK大河ドラマ『利家とまつ』で及川光博君が前田慶次郎役を演じておりましたが、この本の前田慶次像がそれに最も近いかも・・・。
結構いけます。

無邪気に楽しめる活劇小説4
昨今のブームとは全く関係ない時代に書かれた小説であり、まずは前田慶次郎を発見したという意味で著者の慧眼はみごとだと思う。

概ね、残されている史実にも立脚しつつ、慶次郎に見事な人間味も加味しながら、非常に楽しく痛快な冒険活劇的に読み切らせるところはなかなかのもの。特に史実に依らない創作的な部分では、前田利家の三女と慶次郎が恋仲で、その女が秀吉の側室になるくだりがあり、慶次郎と秀吉が、関係的には恋敵になるなどという面白い筋立ても。

強いて言えば、書かれた時期による、かなり古めかしい文体に多少の違和感を感じる点はある。また個人的に、隆慶一郎氏の著作での圧倒的に男臭く美学を感じさせる「傾奇者」という人物造型に比べると、慶次郎がやや平板に感じる点はある。