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半島を出よ (下)

半島を出よ (下)
By 村上 龍

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  • Amazon.co.jp ランキング: #24345 / 本
  • 発売日: 2005-03-25
  • 版型: 単行本
  • 496 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、ある若者たちが決死の抵抗を開始した。

〈現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。〉

内容(「BOOK」データベースより)
さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。逮捕、拷問、粛清、白昼の銃撃戦、被占領者の苦悩と危険な恋。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、ある若者たちが決死の抵抗を開始した。現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。

内容(「MARC」データベースより)
さらなるテロの危険に日本政府は福岡を封鎖する。北朝鮮の後続部隊12万人が博多港に接近するなか、ある若者たちが決死の抵抗を開始した…。現実を凌駕する想像力と、精密な描写で迫る聖戦のすべて。


カスタマーレビュー

圧倒的に下巻の方がいいです5
結末に従ってどんどんとスピード感が増す小説だと思いました。特に、下巻400ページ目を過ぎたあたりから、何度かうっかり涙ぐみそうになりました。圧倒的な細部の描写は、1人1人の個人に、個々の先頭シーンに、迫力とリアリティを与えています。たとえ『悪人』だ、『敵』だと思っても、その人の人生の細部を知ればその死に、平静ではいられなくなる……そのことがよくわかりました。それから、作者と同年である私が経験してきた平和と安定が、たとえば北朝鮮という『外部』に対する見方をどうつくったのかということもわかりました。目を見開かさせる、『今どうしても必要な問題提起』であるとも思いました。

人に勧められる作品かというと、かなり微妙である2
話題の作品と言うことで、遅ればせながら読んでみた。

この本が話題を呼ぶ理由はその設定にあると思う。私自身もそこに惹かれて読み始めた一人であるが、率直に言うと、もやもやとした読後感が残った。
まず、作品としてのフォーカスのあて方が、私の期待した方に進まなかったようである。具体的に言うと、登場人物達の心情にフォーカスがあたりすぎていて、政府間の対応や戦闘シーンに物足りなさを感じた。
また、作品の展開に重要な意味をもつ少年達であるが、彼らの会話に使われる言葉遣いに対する違和感を覚え、また彼らの抱えた背景に対し、どうしても感情移入ができなかった。
さらに、後半の戦闘シーンにおいては、(ここで、日本の文化の洗礼を受けて退廃していく様子を示しているのかもしれないが)これほど周到な準備をして日本に潜入したコマンドにしては、いとも簡単に・・・・という印象を強く受けた。
ただし、この作品に関しては、何も考えずにこの展開や表現を用いたのではなく、作者が深く考えた上で精魂込めて作品を仕上げているという、パワー・情熱を感じた。それがたまたまたくさんの読者の中の一人である私の感覚とマッチしなかっただけなのだろう。作者には申し訳ないが、作品の中盤から後半はどうしてもついて行けず、斜め読みしてストーリーだけ追わせて頂いた。
作者自身が後書き等でふれているように、かなり前から取材などの準備をして書いたものだとは思うし、これらに基づく描写は興味深いものがあり、作者が提起している問題も的を得ていると思う。しかし、上下巻で4000円弱を支払うだけの価値を感じたかというと、私にとってその価値はないし、人に勧められる作品かというと、かなり微妙である。

リアルな絶望感と未来への希望4
この「半島を出よ」という作品は、上巻と下巻で少しスタイルが違っていて、上巻が徹底的にリアルな想像を元に執筆された話であり、下巻はエンターテイメント性を重視した物語へと展開される。それ故、若干上巻・下巻で読者として戸惑ってしまう部分はあったが、全体的にとても楽しむ事が出来た。話のボリュームは多いけれど、作品通してスリリングな展開が広がり、飽きずに読ませてしまうのはやはり流石だと感じた。

この下巻は何も有効な対策が取れない日本の政府やメディア、そして諦めに支配された風潮に代わり、社会のはみ出しモノ達が北朝鮮のテロリスト達に対し、必死の抵抗を行うという話がメイン。前述したように上巻とのスタイルが少し違う為に、期待を裏切られる読者も多いかと思うのだけれど、一貫した村上龍の意志は受け継がれているし、本来彼の小説はこういった壮大なスケールをもった物語こそが持ち味だと思うので、僕自身はこういうやり方は上手くはまったというように思えた。ただ、あまりにも話に無理がありすぎる部分も多い為、以前の名作に比べると若干物語りの信憑性が薄いと感じる部分があった事も否めなかった。

物語重視故に、上巻に比べると、この下巻は魅力的な人物が多数現れる。北朝鮮軍のブレイン達、占領された福岡の果敢な人間達、そしてはみ出しモノであるイシハラグループのメンバー達。緻密な人間描写と彼らの生き様、状況が変わるにつれて変化する心理描写等、とてもスリリングで読み応えがある。傍目では優秀な人間でも、色々な葛藤や驚き、そして弱さを持っていて、そういったものに対し果敢に挑んでいく姿は、やはり美しいし、僕自身力を与えられる部分でもある。ラストがあまりにも綺麗に決まりすぎていて、何処か矛盾を感じてしまうのが勿体無いのだが、あまりにもリアルで残酷な現状を暴き出してしまった上巻に対して、未来への希望というものを村上龍自身、最後に示したかったのではないのだろうか?そんな風にも思えた。