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永久国債の研究 (光文社ペーパーバックス)

永久国債の研究 (光文社ペーパーバックス)
By 調所 一郎, 藤井 厳喜, 有澤 沙徒志, 松田 学

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  • 発売日: 2009-05-22
  • 版型: 単行本(ソフトカバー)
  • 285 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
 永久国債とは、その名のとおり永久に償還されない国債。現在、政府紙幣の発行、相続税ゼロ国債などが議論されているが、永久国債はそれをしのぐ、究極の不況対策、財政破綻回避策になる可能性がある。じつは、幕末期の薩摩藩には藩の負債を250年賦(250年払い)とした事実上の永久債を発行して、財政を立て直した記録がある。これにより、薩摩藩は危機を脱して日本の一大勢力となり、明治維新の立役者となった。また、18世紀に英国イングランド銀行が発行したコンソル債も同じような永久債だった。これらの事実をふまえ、4人の論客が、日本の未来のため共同提言したのが、本書。著者の1人、調所一郎氏は、薩摩藩改革を断行した家老・調所広郷の7代目。また、松田学氏は財務省を代表する論客だ。もし、現状の財政出動だけで、国債残高と赤字を積み上げていけば、日本もあなたの暮らしも、やがて破綻してしまうだろう。

出版社からのコメント
 永久国債をいま論じることは、そのまま日本を論じることにつながります。世界同時不況と金融危機が進むいま、先が見えない閉塞感のなかで私たちは暮らしていますが、ここは、一度立ち止まって、日本の将来をじっくり考えるときです。日本政府は、世界にならって、大型の補正予算を組んで財政出動をしていますが、はたしてそんなことで日本経済は立ち直るのでしょうか? 財政が破綻状態にあるこの国で、そんなことを続ければ、本当に日本は破綻してしまうのではないでしょうか?本書は、日本の財政という、ともすれば複雑な問題をわかりやすく説きあかし、そのうえで4人の著者が大胆な提案をしています。日本の将来設計図として、ぜひ、ご一読ください。

著者からのコメント
 著者の1人を代表して(国際問題アナリスト・藤井厳喜)----本書の母体となったのは有澤沙徒志氏(日本金融通信社編集局国際部長)を中心とする月例の勉強会である。この勉強会では数年来、日本経済をいかにして活性化するのか、が常なる話題であった。平成20年(2008年)にこの会に調所一郎氏が参加するに及び経済活性化の手段として「永久債」(永久国債)が議論の中核になるようになった。薩摩藩の改革者をご先祖に持つ調所氏に、財務官僚で財政の専門家である松田学氏を加え、この私と有澤氏が加わって本書は成立した。ペーパーバックス編集長の山田順氏も一文を寄せてくれ、ここに、日本の将来のために画期的な提言ができたのでは、と自負している。


カスタマーレビュー

歴史好きにも読み応えある、自国の経済史を通して未来を考える政策研究本5
私はもともと「歴史物」が好きな一読者である。
特に現代のビジネスにも生かせる実践的な英知が学べる経済史には興味があるが中々適当なものに出会いにくい。(過去の物語に閉じこもっているか?単純人物論が多いからだ)

藤井さんの前作『ドンと来い!大恐慌』で「永久債」「超長期債」の事を知り、興味を持っていたので、今回の本は金融やマクロ経済の専門的な難しい本なのだろうと覚悟しつつ、日頃は読まないだろう金融や政策系のジャンルの本に、恐る恐る初トライするつもりで購入した。

意外だったのは、「歴史物」として大変楽しく読めたことだった。
自国の経済史に関する資料、比較的近い先祖の経済危機に向き合った財政改革の実例には、広い時間感を通して視野も広がり、「危機の時の英断」について考えさせられた。

今の地方財政の問題等々を考える時、こうした歴史には学ぶものが大きい。
何故なら、民族性、地域性を無視した、「外来」のビジネスモデルやスキームだけを「最新」だとか「話題の」と言われても今は説得力を感じず、それを知っても「用語や考え方という情報」が一つ増えるだけで、実感を伴った『勇気』には繋がらないからだ。
 ちょっと前まで「先進的」ともてはやされて取上げられたビジネス書の「目新しいタイトル」の大半が、古臭く色褪せて感じられ、いかに「バブル」だったのか?を考えられる今春、藤井さんの前作を読んで以来、「本質回帰の時代」がやっと到来したかと考え、そうした「地に足の着いた」本を期待するように、本に求めるものが変わった。

もう政策提言もの、情勢分析だけをした批判評論物、経済学者や既に失敗したはずの海外大学研究機関の翻訳・アレンジ導入紹介の経済本には、うんざり感があり、話題として一応チェックしても、買って帰って精読する気力がいつからかなくなった、「新鮮な期待を求められなくなった」という読者にこそ、勧めたい。

このペーパーバックス系シリーズでは初めての「最後が暗くない」珍しく前向きな本だったのも安心できる。

勿論、経済学の書としても、政策提言の憂国の書として、裏付けの多くの考え方は勉強になる。

内容はいい本だった4
政策提言ものの本を読み物として面白く読む事が出来た。

最近、藤井厳喜本を続けて読んでいるが、この本は残念ながら内容はいいが、やや「読みにくい」まとまりに弱い、「もう一工夫」を期待したいとも思った本だった。
もっと概念や新しい仕組みを素人が理解できるよう、より図表やチャートなどがあったり、伝えたい内容を「視覚的にも構造が分かる」工夫があると伝わると思う。

内容の理念や考えには大変、共鳴したし考えさせられた。
が、このジャンルの金融専門書や政策系の本を読みなれていない一般のビジネスマンにとっては、途中、やや専門的に長々としすぎていて飛ばしたくなる個所もあった。

調所氏執筆の章はその点、普通に歴史に興味があったり、一般教養的な読み物として楽しくストーリーを読めて面白い。それだけに、ペーパーバックス系でなく、もっと写真や図などビジュアル面でも歴史を知れる本だと良かったと、、そんな若干物足りなさも読後感として感じてしまった。

日本的な経済史や政治史、文化史と同時にこうして未来への提言など現代にも往還的に繋がっているような現実的な書は今後も出していってほしいと期待する。

日本の政財官のリーダーに読んで欲しい本!5
この世に「永久債」などという都合のよいものがあるとは思わなかった。
かつて欧米では、百年債の社債を出していた事があるが、それが禁止になったと聞いている。

 国家が永久国債を発行する事により、日本の財政破綻を回避し、また日本の不況脱出の起爆剤にせよ!というのが、この本の主張の根幹である。

 国民必読の書とは言わないが、日本国の中枢にいる国会議員、財界人、官僚等には絶対に読んで議論してもらいたい本である。
 
 18世紀のイギリスや幕末の薩摩藩が永久債という手法を実際に用いて成功していた、とは知らなかった。
 4人の共著者の1人、財務省の松田学さんの書いている論文が一番の長編である。
松田さんは一見、永久国債は不可能であり、望ましくない、そのように論文をはじめながら末尾ではそのような非常手段も用いるべきではないか?と主張している。
日本国の財政は、永久国債のような非常手段を用いざるを得ないところまで追い込まれているのである。

 『永久国債』というタイトルを聞くと多くの人は「自分には関係のない話」か「難しい専門の金融関係の本」という印象を持つかもしれないが、読み物・教養書としても、様々な立場からの発想、視点が内包されていて、読んだ人の「未来社会を考える幅」が飛躍的に拡大する知的トレーニング書としてもお勧めできる。