木練柿(こねりがき)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #57623 / 本
- 発売日: 2009-10-17
- 版型: 単行本
- 335 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
あの男には力がある。人を惹き付け、呼び寄せ、使いこなす、それができる男だ。娘は、男から刀を受け取り、抱き込みながら何を思い定めたのだろう。もう後戻りはできない。月の下でおりんは「お覚悟を」と囁いた。刀を捨てた商人遠野屋清之介。執拗に事件を追う同心木暮信次郎と岡っ引伊佐治。時代小説に新しい風を吹きこんだ『弥勒の月』『夜叉桜』に続く待望のシリーズ登場。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
あさの あつこ
1954年岡山県生まれ。『バッテリー』で野間児童文芸賞、『バッテリー2』で日本児童文学者協会賞、「バッテリー」シリーズで小学館児童出版文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
ただ一つのものが語られる
おりんに、「お覚悟を」と迫られた清弥は、ひとかどの商人、遠野屋清之介となった。
清之介の所作は、見惚れるように滑らかである。まわりには、ゆきとどいた言葉をかけ、心遣いをみせる。店の者にも全面的に信頼されている。だがそのこと自体が、好意的に見ているものにさえ、時として懸念を抱かせる。
≪計算ずくであるわけがない。この男の本質なのだ。この男はこうやって他者の心を掴み、揺すり、操る。
操る?
伊佐治は息を詰め、頭を振った。≫
武士と商人の間に、「覚悟」があった。だが清之介の「覚悟」がどうであったとしても、同心小暮信次郎の眼に視えるものがある。
≪親分は、あやつが商人などではなく正真の人斬りだと心底では思っていた。そういうこったろ。≫
義母は、その不安のゆえに、娘おりんを追い詰めた。信次郎は清之介を、「狩る相手」と考えている。伊佐治には、信次郎の言葉を否定できない時がある。清之介は、まわりのものを力づける、そして怖れを抱かせる。まわりのものは否応なく、清之助の渦に巻き込まれる。しかも、清之助自身が、己を不吉なものではないかという思いをぬぐい切れていないのだ。そこに、おこまという養女が現れる、まさにかけがえのない存在として。
総ての話が、信と不信が交錯する場として、進んでいく。そしてそこに、怖ろしいもの、が現れては消える。
物語に厚みが・・・
今回は短編集で、信次郎・遠野屋・伊佐治の周りの人間にスポットをあてた物語が集まっている。
丁寧に描かれたことで、物語の背景に厚みを出してきたように思いました。
既にいない人物の鮮やかな存在感、表面に出てこない家族の息遣いが3人の人物像を厚くする。
良質な短編集。ただ、井月屋の話はちょっとありがちな展開だったように思ったが・・・。





