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赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)

赤と黒 (上) (光文社古典新訳文庫 Aス 1-1)
By スタンダール

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  • 発売日: 2007-09-06
  • 版型: 文庫
  • 465 ページ

エディターレビュー

内容紹介
ナポレオン失脚後のフランス。貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑をするのだが……。

内容(「BOOK」データベースより)
ナポレオン失脚後のフランス。貧しい家に育った青年ジュリヤン・ソレルは、立身のため僧職に身を投じる。やがて貴族であるレナール家の家庭教師となり、その美貌からレナール夫人に慕われるようになる。ジュリヤンは金持ちへの反発と野心から、夫人を誘惑するのだが…。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
スタンダール
1783‐1842。フランスの小説家。代々法曹家を生んだブルジョワの家庭に生まれる。7歳のとき熱愛していた母親を亡くす。その反動からか、王党派の父親に激しく反発し、自らは共和主義者となる。16歳のとき陸軍少尉に任官し、ナポレオンのイタリア遠征に参加。このときから生涯、イタリアを愛することになる。その後は官僚となり、多彩な女性遍歴など、派手な生活を送る。この間、『恋愛論』『赤と黒』などを書き上げる。1842年、脳出血で死去

野崎 歓
1959年生まれ。東京大学文学部准教授。フランス文学研究のほか、映画評論、文芸評論、エッセイなど幅広く手がけている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

がっかり1
昔読んであ〜すてき、と思っていたので、新訳と聞いてもう一度買って読みました。
でもちょっとがっかりしました。
きれいな「訳」なのですが、文章からはジュリヤンや他の登場人物のだれもが、ひとりの人物としての統一された人格を感じられません。「訳」とはこういうものだったのかと思いました。「訳」はきれいで正確であるに越したことはないのでしょうが、「訳」者はまたひとりの小説家としての力量を問われるものなのだとわかりました。
もちろん私にはスタンダールの原著自体がそうなのかはわかりませんが、わかりやすく正確な訳よりも、登場人物たちがストーリーの中で踊る訳本を読みたい!と思いました。残念。

数百カ所の誤訳がある「誤訳博覧会」だそうです。1
日本スタンダール研究会の会報に掲載された下川茂氏の書評によると、大小合わせて数百カ所の様々な誤訳がある「誤訳博覧会」のような翻訳だそうです。もちろん、なかには誤訳とまで言えるかどうか微妙なところもあるでしょうし、翻訳者にはある程度大胆な意訳をする自由もあるでしょう。しかし、ネット上でも入手可能な下川氏の書評を読んでみると、たしかにこの誤訳はそのレベル以下のものがあまりに多いようです。下川氏の指摘に対して光文社の編集部は、そんなのは些細な問題だ、とか、文句があるなら自分で新訳を出せ、と開き直ったそうです。どこが些細な問題なのでしょうか。

私は最初この翻訳を読んだときに、読みやすい翻訳ではあるものの、ところどころなんか変だなという違和感を感じたのですが、多数の誤訳がその原因だったようで、納得いきました。はっきりいって、これは翻訳としては欠陥商品で、金返せといいたいくらいです。

しかし、「誤訳博物館」として貴重な資料となりますし、原書と比べ合わせて読んで、どんな誤訳をしてしまうのかを調べると、フランス語や翻訳の格好の教材となります。そのような資料、もしくは教材として利用するならば、十分な価値がありますので、ぜひ絶版や改版せずに、そのままの形で出版を続けてほしいと思います。

古典は幾度も読み返しのきく文体であるべきです1
小生の大学時代にはスタンダールの「赤と黒」を、ガリマール版でとぼとぼ読んでは、岩波文庫の桑原訳の耽美さに感動しながら、自分の訳し方を逐語添削していったものです。それほどヒマなことをしては全編読み終えました。ここにその当時のノートがあります。
いま、新訳を右において、原書と照らし合わせてとぼとぼ読んでは、野崎訳の訳文のひどさに嘆息を漏らすしかありません。
読み易ければ良し、とする出版社の方針は必ずしも古典の復興にはつながりません。古典は幾度も読み返しのきく文体であるべきです。文法的な誤りや文意の取り違えは、すでに古典の翻訳ではないでしょう。