聖(セント)ジェームス病院 (光文社文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2008-06-12
- 版型: 文庫
- 575 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
聖ジェームス病院は、慢性的な人員不足にあえぎながらも、地域中核病院として機能してきた。東翔平も研修医として、懸命に務めている。腹痛の症状で救急外来に訪れた患者を診た東だが、快方に向かった矢先、その患者は急死してしまう。一方、病院内では、新薬を巡る問題や院内感染など、さまざまな問題が発生していく。現代医療の問題を正面から見つめた意欲作。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
久間 十義
1953年、北海道生まれ。1987年豊田商事事件をあつかった『マネーゲーム』で文藝賞佳作に入選。1990年『世紀末鯨鯢記』で三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
医療の現場をストレートに描いた傑作
本書は、久間十義が綿密な取材を基にして書き上げた、若き研修医東翔平を主人公にして医療の現場を描いた小説である。
なるほど、院内外のさまざまな問題が同時進行的に発生して、これだけの長編になったことが充分うかがえる力作である。
メインの問題は、新薬をめぐる医療過誤が訴訟沙汰に発展しそうになる事件だが、それに院内感染事件が重なって、病院は危機に陥る。これら医療現場のさまざまな問題に翔平が関係し、巻き込まれ、出身大学の医局、病院の理事長、院長、事務長、指導医らと複雑な関わりを持ちながら、看護師たちとともに解決に四苦八苦する。
また、当該の新薬の認可の問題や、製薬会社の株のインサイダー取引の問題も本書の中で物語の横軸をなしている。
本書は、中堅どころの地域中核病院を舞台に、病院という、一般の人から見たら日常からかけ離れた異界で起こるような出来事を、病院の関係者にしてみれば日常の中で普通に起こりうる出来事としてストレートに描いている。しかもそれらをあえて問題提起したり、ミステリータッチにしたりせず、翔平の青春小説の趣さえ漂わせながら正面から見つめているところに好感が持てる。
硬くない社会派小説
日本の医薬品開発環境を変えたと行って良いソリブジン事件に取材した作品。
研修医が投与した薬剤によって急変し、亡くなった患者。
その訴訟問題が持ち上がり、研修医もそれに巻き込まれる。
その傍ら、MRSAの院内感染が起こり、その対応をめぐって顕在化した理事長と院長の確執に同じ研修医が巻き込まれていく。
硬派な社会派小説かと思いきや、訴訟を起こす遺族と研修医の間に恋心が芽生え、実はその遺族は研修医の指導医の愛人でってゴタゴタや、産婦人科に忍び込み触診を行う偽医者とか、医療業界に興味のない人にも飽きさせない工夫もあり、エンターテイメントとしても楽しめると思います。
もっと硬派にした方が良かったと思うのですが、その辺は人それぞれで・・・。




