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父の目方 (光文社文庫)

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  • 発売日: 2007-05-10
  • 版型: 文庫
  • 273 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
寄せられた三十五人の「父の思い出」。子から見る「父の姿」。魂を揺さぶる真実のドラマ。


カスタマーレビュー

父と子に流れる時間5
宮本輝選『父の目方』光文社文庫
宮本輝選『父のことば』光文社文庫

『父のことば』には三十三編、『父の目方』には三十五編が収録されている。どれも一般の方々の応募作品で、それを輝さんが選び編んだのが、この二冊。この二週間くらいの間に、ぼくは六十八の「父親の物語」を読んだことになる。

当たり前のことだけど、みな別々の父親である。それぞれの子供たる書き手の思いもさまざま。そりゃそうだ。父親を愛する人もいるし、憎しみしか抱かない人もいる。あるいは自分の父親を見たこともない人もいる。

でもこの二冊の本を読んでぼくが感じたのは、父と子の物語が語られる時間の長さである。それぞれのエッセイは原稿用紙にして十枚ほどの分量だけど、そこに流れる時間は、どれも長い。子供たちは、父親の物語を十年、二十年、あるいは五十年の時間のなかで語る。もちろん、十代の作者もいるわけだから、すべてではないけども。

自分も父親の年齢をとうに超えた。そう述べる作品も多い。

日常の繰り返しとは少し幅の違う時間が、父を語る子たちには流れてる、そんな感じがした。のっぺりとした日常の時間は、それはそれでとても大切だけど、ふとした時にぐにゃりと時間が折れ曲がったり伸びたり。生きていくというのは、そういうことも含むもんだ。日常生活に流れる時間に、もちろん父親自身だって縛られてるんだろうけど、子供の目から見ると、その時間のありかたはいとも簡単にとろけ落ちて、まったく違った風景を描き出すのかもしれない。たとえば、会うたびに自分より背の低い父親に驚いたり。

とてもいい本だと思います。