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人それを情死と呼ぶ 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)

人それを情死と呼ぶ 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)
By 鮎川 哲也

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  • 発売日: 2001-07
  • 版型: 文庫
  • 359 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
人は皆、警察までもが、河辺遼吉は浮気の果てに心中したと断定した。…しかし、ある点に注目した妻と妹だけは、偽装心中との疑念を抱いたのだった!貝沼産業の販売部長だった遼吉は、A省の汚職事件に関与していたという。彼は口を封じられたのではないか?そして、彼が死んでほくそ笑んだ人物ならば二人いる。―調べるほどに強固さを増すアリバイ。驚嘆のドンデン返し。美しい余韻を残す長編。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
鮎川 哲也
一貫して本格推理を描く。一九六〇年、『憎悪の化石』『黒い白鳥』により日本探偵作家クラブ賞を受賞。翌年、『人それを情死と呼ぶ』を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

病みつきになる快感4
A省汚職事件の渦中にいた男の死体が見つかる。隣には女性の死体が。捜査の手を逃れられないと知った、覚悟を決めての心中ということで決着がつくのだが、どうしても信じることのできない男の妻と妹は、警察に知らせることなく独自に調査をはじめる。が、容疑をかけた何人かの人物には、全員に鉄壁のアリバイがあった。

鬼貫警部の「アリバイくずし」ものです。

前半は、心中した男の妻・妹の立場から、愛情・憎しみ・嫉妬などの女性の心理が描かれ、サスペンスにあふれていて物語を盛り上げます。鬼貫警部登場は半ばすぎ、一気に推理を組み立て犯人を捕まえる、とはならず、相変わらずに小さなことを丹念に着実に調べあげていく。「アリバイくずし」が苦手、キライだという人は、このヘンがまだるっこしく感じるのかもしれませんが、実はここが一番の読みどころ、犯人の完璧に近い嘘が少しずつ少しずつあばかれていく、一度ハマると病みつきになる快感です。

最高の面白さ5
今のところ、鮎川哲也の長編作品の中では一番好きです。
アリバイ崩しのおもしろさももちろんですが、これでもか
というくらい次々展開していくストーリーの面白さ、胸に
迫ってくるラストシーン。これぞ傑作ですね。

ラストシーン4
 1961年に東都書房から出た単行本の復刊。ほかにも講談社、立川書房、角川文庫など複数の版がある。本書では著者による若干の修正がなされているという。
 鬼貫警部もののアリバイ崩し。容疑者にはいずれも強固なアリバイがある。これがレッド・ヘリングとして効いている。どれが本物で、どれが偽物なのか。良く出来たミステリと思う。解決の鮮やかさと、ラストシーンの印象深さはなかなかのものだった。
 また、本書は社会派ミステリへの皮肉にもなっている。著者の強烈なユーモアを感じた。