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二進法の犬 (カッパ・ノベルス)

二進法の犬 (カッパ・ノベルス)
By 花村 萬月

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  • Amazon.co.jp ランキング: #498691 / 本
  • 発売日: 1998-11
  • 版型: 新書
  • 755 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
家庭教師・鷲津兵輔が、生徒として引き受けることになった女子高生の乾倫子。彼女の父は、少数精鋭の武闘派博徒乾組組長・乾十郎であった。鷲津は、乾組という組織、十郎の「白い黒か」を徹底する究極の生き様、そして倫子の凛とした存在に、しだいに自分の所在を見いだしていく。やがて鷲津が手にしたある情報が、乾組を揺るがす大きなうねりを引き起こす。博打、抗争、性愛…激流のなか、鷲津が手にしたもの、それは―。ひとの心が抱える深い闇―その暗黒を重厚に、そして狂おしいまでに切なく描き、あらたな“倫理”を世に問う、芥川賞作家・花村万月の超大巨編、ここに登場。

内容(「MARC」データベースより)
あなたは愛を全うできるか。そして、あなたは撃てるか。人の心が抱える深い闇を重厚に、そして狂おしいまでに切なく描き、新たな倫理を世に問う、花村万月の芥川賞受賞後第一作。〈ソフトカバー〉


カスタマーレビュー

~賭博、性、愛、~5
全く本を読まない自分だが完全にのめりこんでっしまった。 家庭教師の鷲津の行動とともに話が進んでゆく。ヤクザの組長乾十郎、そしてその娘倫子との出会い、そこから組員や他の組の人間が加わり話しが以外な方向に進んでゆく。 テーマ「人間の心の底」を描いていると自分は考えている。章によって博打が書かれていたり性があったり・・・。そして愛が芽生えたがそこに立ちはだかるもの、それは物事に二進法(0と1)のように白黒をはっきりつける組長、十郎であった。鷲津は悩むが倫子からの誘いで自分の全てを見せてしまうことになる。 常にハラハラさせられ一度読み始めると止まりません。 是非一度読んでください。

読むものの心象も投影する二進法的世界観5
組長・乾をはじめとするヤクザ達の二進法的世界観の痛烈な光が、主人公の鷲津だけでなく、読むものの心象を投影する。私は、主人公と共に、自分自身の情けなく悲しい影絵におののいてしまった。こんなに格好悪い主人公に同一化してストーリーに巻きこまれてしまったのは初めての経験だ。物語の後半にかけて彼がまともになっていくような様子があるが、むしろ違和感を感じる。情けなく腰砕けする彼やいぎたなく性に固執する彼にこそ共感する。その共鳴の中で、いつもは隠蔽している自分自身の赤裸々な姿を妙に素直に見出すことができる。彼と一緒になって、歓喜躍動しそして恥じ入り落ち込む。エンディングで彼と並んで坂をスキップしながら、その先に奈落を感じたとき、スーッと落下していくような快感すら感じた。決して難しい話ではない。優れたエンターテーメントと思う。ガンガン読める。そして、その中で、自然と、いつもは正視できない自分自身の影と気持ち良く正対できる。読後は、スッキリ爽やか。でも、おいしいラーメンを食べた時のようなジーンとした後味が残る。

世界観に引き込まれます5
主婦にパソコンを教える事で生計をたてている京大卒の家庭教師と、その家庭教師に勉強を教わる事になった女子高生。
その女子高生の父親で博徒一家の親分である男もパソコンを教わる事に。
家庭教師のやや醒めている様でありながらも小市民的でしかない世界と、博徒一家の親分の白か黒であるまさに2進法の世界。

その博徒一家の娘として育った女子高生、その博徒一家の構成員である男。
そこに花村 萬月さんの独特な世界観。
この5種の世界が融合して読む者を引き込む世界が作り上げられています。