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自民党の研究―あなたも、この「集団」から逃げられない (カッパ・ブックス)

自民党の研究―あなたも、この「集団」から逃げられない (カッパ・ブックス)
By 栗本 慎一郎

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  • Amazon.co.jp ランキング: #216214 / 本
  • 発売日: 1999-09
  • 版型: 新書
  • 224 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
日本最強の権力集団に「潜入」した人類学者が、いまだ知られざる「権力の秘密」を明かす。この集団に日本を任せても大丈夫なのか?知られざる総裁選の裏側、小渕恵三、加藤紘一、小泉純一郎、田中真紀子…彼らの実像とは。あなたの中の「自民党度」がわかる。

内容(「MARC」データベースより)
自民党を除名された代議士・人類学者が、巨大集団をフィールド・ワーク。知られざる総裁選の裏側、小淵恵三、加藤紘一、小泉純一郎、田中真紀子らの実像を明かす。〈ソフトカバー〉


カスタマーレビュー

巨大与党の強さの秘密5
 1941年に生まれ、大学教授職を経験した後、1994年に衆議院議員となり自民党に入党し、1999年に自自公路線に反対して除名された著名な経済人類学者が、1999年に刊行した220頁程の新書本。つまり、人類学者が自民党という「任侠集団」を5年間参与観察して内部から分析した本である。その結果、著者は自民党の特質を7点に整理し、具体的な人名を挙げながら(!)それらを解説していく。第一に、自民党は明確な理念や政策を軸に集まった集団(近代政党)ではなく、人間関係を最重要視する集団である。第二に、自民党が人を評価し判断する基準は、その人がいかなる集団のいかなる位置に属するかによる。第三に、長期支配の結果、世界で最も強力な官僚システムとの癒着ともたれあいがある。第四に、イデオロギーとしての社会主義を強く拒否しつつも、政策としてのそれを積極的に採用する。第五に、外交政策も理念や政策より各国との親疎や推進者の人格が重視される。第六に、党内にある程度の人数を持っていれば、大変な力が持てる。第七に、以上の6点に抵触しない限り、言動は驚くほど自由(融通無碍)である。これらの諸点は日本社会のあらゆる集団でも見ることができる特質であり、したがって自民党の強さはその「日本的特質」にあると著者は見ている。この点で、本書は丸山真男『日本の思想』(無責任体制論)と裏表の関係にあるように思われる。自民党がこのような特質を持っている以上、政策をめぐる議会での議論が有名無実化する(野党の無意味化)のは当然であり、非自民を掲げる民主党の内部がまとまらないのもうなずけよう。また本書で指摘されている小泉純一郎・小沢一郎の自民党的体質や、自民党解体の提言、グローバル化の負の部分への対応の必要なども、非常に適切だと思われる。すでに前世紀の本ながら、現在を考える上でも興味深い。

政治の潜入調査3
 カスタネダ風の潜入取材的人類学調査。

日本の組織論の基本文献5
栗本慎一郎が自民党に「潜入」し、人類学者として見聞を報告する、といった体裁で
今はもう見る影も薄い自民党を明快に分析する。自民党の政策決定のルールや、構成
員の(言語化されない)ホンネなどが身も蓋もなく明らかにされ、それまでのどの
自民党研究書よりも刺激的であるばかりか、日本的集団に良く見られる意思決定の
あり方や弱点まで結果的に明らかにしてしまった本である。
まとめの部分では自民党的(つまり日本的)意思決定の弱点がグローバル社会に
耐え切れず、日本国が「焦土」となることが危惧されているが、どうも現在の世相からは
危惧が的中しそうな気配が濃厚である。「われわれは様々な意味で自民党を乗り越えて
いかなければならないのではないか」という文中の言葉は、現在にこそ必要な指摘
かも知れない。やや古い本だが、日本的な組織の実情と弱点を考える意味で、現在でも
基本文献となりうるものだと思う。