向こう岸の市場
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #477730 / 本
- 発売日: 2007-08-29
- 版型: 単行本
- 235 ページ
エディターレビュー
内容紹介
古代アテネの民主制をモデルに現代の民主国家アメリカを痛烈に風刺するファンタジー。民主制とは何か、市場経済とは何かを問い直す。
古代ギリシャのアテネは、ペルシャ帝国との大戦の後、ギリシャ世界の盟主として、経済の中心として富み栄える。しかし、皮肉なことに、国内で民主制を確立した後、対外的には民主的な盟主から力で支配する帝国へと変容していく。本書はアテネの指導者ペリクレスの「妻」アスパシアと「歴史の父」ヘロドトス、そしてその二人のもとで大人へと変わっていく少女と少年の目線で物語が展開する。物語は「健全な利己心」が必要な市場経済から始まり、舞台は「健全な利他心」が必要な国家運営へ移る。しかし、国家のことを慮る「健全な利他心」が紛争をひき起こす。
[関連書] 同著者 『市場(スーク)の中の女の子』 (PHP研究所刊)
内容(「BOOK」データベースより)
古代ギリシャの盟主アテネが現代のアメリカに重なる。アゴラでなされる取引と駆引き、少女と少年が目にした光景は…。
著者からのコメント
ソ連邦が瓦解して平和になるかと思った。多様な人々から成る民主国家アメリカが世界の盟主になれば、世の中は住みやすくなると思った。
そうかもしれません。あるいは、いつかそうなるかもしれません。
でも、ほんとうにそうでしょうか。
歴史はくり返しませんが、世の移り変わりについて、さまざまなことを教えてくれます。
紀元前5世紀初頭、ペルシャを撃退したアテネは、ギリシャ世界の尊敬を集め、盟主、そして経済の中心として富み栄えます。しかし、民主制を国内で確立した後、対外的には民主的な盟主から力で同盟国を支配する帝国へと変容していきます。同盟国の自治に介入し、貢納金を集め、意に従わない国々を武力や経済力で締めつけていくのです。
一人勝ちのアテネは分け前を移民に取られまいと純血政策を採ります。そのために市民になれなかった移民たち。その中に、主流から外れつつも、強い芳香を放った人物がいました。ペリクレスの「妻」アスパシアと「歴史の父」ヘロドトスです。その二人の許で、大人へと変わっていく少女と少年の目線で、この話を作りました。
共同体(オイコス)のあり方(ノモス)を問うオイコノミコスと国家(ポリス)のあり方を問うポリティカ。ともに、ギリシャ時代の言葉です。前者はエコノミクス(経済学)となり、後者はポリティクス(政治学)となりました。それに比して、国家間の秩序のあり方を問う学問はまだ整っていません。
学問がわれわれに与えてくれるものは、ものの見方です。ものの見方なしに物事を論じることはできません。
乱暴でいい加減なものの見方で世の中の秩序のあり方のような大きなことを論じると、ひとりひとりの幸せは川の流れの中の泡沫のように無視されてしまいます。大きなことを論じる学問であっても、小さなところへの目配りを忘れてはなりません。
次第にものの見方を学んでいく少女と少年の目線を保ちたかった理由もそのあたりにあります。同じ目線でみなさんが市場や国、そして国と国との関係について何かを感じとっていただけるとしたら、これに優る幸いはありません。





