細川重賢―熊本藩財政改革の名君 (人物文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #529564 / 本
- 発売日: 2002-05
- 版型: 文庫
- 422 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
革命的な改革を断行するには、重賢自身が藩主としての「既得権益」を放棄するとともに、非常時に才覚を発揮する能力をもった人材を発掘し、抜擢し、全権を委ね荒療治をやらせなければ世の中はぴくりとも動かない。それこそが、非常時を乗りきる決め手だと重賢は考えた。熊本藩をドン底からよみがえらせた名君と異風者藩士たちの改革断行の足跡。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
童門 冬二
1927年東京生まれ。第四三回芥川賞候補。日本文芸家協会・日本推理作家協会会員。東京都広報室長、企画調整局長、政策室長等をつとめ、1979年退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
異風者"ガネマサどん"が光る藩改革
肥後の鳳凰と呼ばれた名君、細川重賢の宝暦の改革を描いた伝記的物語。逼迫した細川藩の窮状を救おうとする大胆な改革が語られるが、重賢の君子振りと共に"ガネマサどん"との異名がある低臣(後の大奉行)の堀平太左衛門の賢臣振りに筆が割かれているのが特徴だと思う。むしろ、主人公は"ガネマサ(カニの横歩き)どん"と言って良い。
私は以前、作者の「上杉鷹山」を読んだ事があるのだが、重賢の改革は鷹山に影響を与えたらしい。両作の構図が「名君を中心とする改革派vs家老を中心とする旧勢力」と似ているのは、話を簡明にするためと割り切ろう。改革の内容も近い。重賢は部屋住みの身分から藩主になった関係で、貧困を身に染みて知っている。だが、学問の志は高い。重賢が掲げた改革の方針は概ね以下の通り。
・旧弊に捉われない斬新な政治組織の大改革(能力ある低臣の抜擢)
・殖産興業
・(目前の貧窮を承知で)ロングスパンの視点に立った人材教育
・(重賢の好みもあり)医学・薬草学の奨励
この理念に基づいて改革の実質的責任者役を担ったのが、異風者"ガネマサどん"である。"ガネマサどん"が敵や味方とやり合いながら、改革を推進していく様は中々読みごたえがある。また、性格にも味があり、侍女の"くす"とのロマンスが発展すれば更に面白くなったと思う。結末部分が短兵急で、あっけない気もするが、この有名な改革の結果が必ずしも成功に終らなかったと明かしているのは潔いと思った。しかし、重賢の理念が鷹山を初めとして多くの大名に影響を与えたのは確かで、江戸時代における藩経営の姿を映し出して清新な一作。




