クーデタ (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 2-5)
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商品の詳細
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- 発売日: 2009-07-11
- 版型: 単行本
- 377 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
北半分はサハラ沙漠、南の国境沿いに大河が流れるアフリカの内陸国クシュ。5年にわたる旱魃により飢餓に苦しむこの国を、クーデタで政権を奪ったエレルー大統領が支配する。アメリカ帰りの独裁者はイスラムの教義を信奉し、アメリカの援助を拒絶して独立国家として生きていこうとするが、4人の夫人と新しい愛人、先王エドゥムー4世、事実と数字の人間である内務大臣のエザナ、友邦ソ連の酔いどれ軍人などとの駆け引きの中で次第に自由を奪われていく。緑一色の国旗を翻して荒涼たる大地を経めぐる大統領のメルセデス。国境を越えて入りこむ7‐UpやCoca‐Colaなどのアメリカ文化。イッピ地溝帯にある「興味深い物質」とはいったい何なのか。コーランの朗誦が響きわたる冷戦時代のアフリカを舞台に、戦後アメリカ最大の作家が巧みに構築した物語。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
アップダイク,ジョン
1932年ペンシルヴェニア州に生まれる。ハーヴァード大学卒業後、雑誌『ニューヨーカー』のスタッフとして働きながら詩や小説を発表する。2冊目の長篇『走れウサギ』で作家としての評価を確立し、64年『ケンタウロス』で全米図書賞受賞。華麗な文章で現代社会の風俗を巧みに描き、戦後アメリカを代表する作家と目された。2009年没
池澤 夏樹
1945年北海道帯広生まれ。埼玉大学理学部中退。88年「スティル・ライフ」で第98回芥川賞受賞。おもな小説に、『マシアス・ギリの失脚』(新潮社、谷崎潤一郎賞)、『花を運ぶ妹』(文藝春秋、毎日出版文化賞)などが、おもな評論・書評集に、『母なる自然のおっぱい』(新潮社、読売文学賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
外部から見るアメリカ
池澤夏樹編集の世界文学全集の1冊。しかも今回は、翻訳も彼で、巻末の解説も彼が書いている。
冷戦時代のアフリカの架空の国の政変が主なストーリーだが、この小説は極めてアメリカ的な小説だ。よその国の人間はアメリカ人をどのように見ているのか、外からアメリカはどう見えるのかをアメリカの大学に通っていた架空のアフリカの独裁者の目を通じて描いている。正義の名のもとに侵攻を繰り返すアメリカという国家への批判とも読み取れるが、おそらく、対象はアメリカだけではない。
貧困や戦争がなくならないこの世界へのうめきのような声だ。
クーデタ、革命が成功し、さらには別な政変が起き、権力者は倒れていく。そういった循環の中で、増していく悲惨さ。現代でも全く変わっていない。
マジカルなアフリカの大地と近代的な権力の相克の対比が見事だ。





