ハワーズ・エンド (池澤夏樹=個人編集 世界文学全集 1-7)
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商品の詳細
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- 発売日: 2008-05-12
- 版型: 単行本
- 505 ページ
エディターレビュー
内容紹介
「人と人は真に理解しあうことができるのか」
人間と文化の葛藤を精緻に描き、英語文学の一つの到達点とされる名作を、香気ある翻訳でおくる。
思慮深く理知的な姉マーガレットと、若くて美しく情熱的な妹ヘレン。ドイツ系の進歩的な知識人家庭で育った二人は、ある時まったく価値観の異なるブルジョワ一家と出会う。ふかい緑に囲まれた、この一家の邸ハワーズ・エンドをめぐって、やがて二つの家族は意外な形で交流を深めていく。
文学や芸術に重きを置き、人生の意味を探し求める姉妹は、イギリス社会のさまざまな階層の人間に触れながら、それぞれの運命をたどっていくこととなる。人と人とが結びつき、お互いに理解しあうことはいかにして可能になるのか。愛と寛容をめぐる不朽の名作を、吉田健一の香気ある翻訳でおくる。
〈ぼくがこの作品を選んだ理由 池澤夏樹〉
違う文化を出自とする人間たちが出会い、愛し合うようになる。しかし人と人の間で文化は衝突し、愛は苦戦を強いられる。フォースターはそういう状況を書くのがすごくうまい作家だ。異文化の中に身を置くことが多かったぼくには、このテーマは人ごとではない。
内容(「BOOK」データベースより)
人と人は真に理解しあうことができるのか。思慮深く理知的な姉マーガレットと、若くて美しく情熱的な妹ヘレン。ドイツ系の進歩的な知識人家庭で育った二人は、ある時まったく価値観の異なる保守的なブルジョワ一家と出会う。ふかい緑に囲まれた、この一家の邸ハワーズ・エンドをめぐって、やがて二つの家族は意外な形で交流を深めていく―文学や芸術に重きを置き、人生の意味を探し求める姉妹は、イギリス社会のさまざまな階層の人間に触れながら、それぞれの運命をたどっていくこととなる。人と人とが結びつき、お互いに理解しあうことはいかにして可能になるのか。愛と寛容をめぐる不朽の名作を、吉田健一の香気ある翻訳でおくる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
フォースター,E.M.
1879年、ロンドン生まれ。ケンブリッジ大学在学中にG・L・ディキンソンらと交友を深め、後にブルームズベリー・グループへと発展する討論会「使徒団」に参加。卒業後、イタリアやギリシャを周遊。帰国後に短編やエッセイを雑誌に寄稿しはじめる。1905年『天使も踏むを恐れるところ』を発表。続いて、07年『果てしなき旅』、08年『眺めのいい部屋』、10年『ハワーズ・エンド』を発表し、作家の地位を確立する。24年、二度のインド訪問をもとに『インドへの道』を執筆。44年国際ペン・クラブ会長、46年キングス・カレッジの名誉特別研究員となり、70年に91歳で没するまでエッセイなどを発表しつづける
吉田 健一
1912年、東京市生まれ。小説家、文芸評論家。著書に『ヨオロッパの世紀末』(野間文芸賞)など。1977年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
翻訳が!
別のかたも書いておられますが、私などはこの訳で読み通すのはとても無理。
文章の意味がすんなり頭に入ってこない。頭の中でもう一度日本語に翻訳しながら読まされているような感じがしました。
しかしこの小説を読むことは諦められないので小池滋訳を買い直して読み始めてみたら、
なんと……
めちゃくちゃ、めちゃくちゃ面白いじゃないですか……!!! まるで別世界。
香気が何だっ! フォースターの小説が、そもそも楽しく読めない翻訳というのはどうなんだ?! 原文を知らないからそう思うのかなあ。
しかしあやうく挫折するところだったぞ……。
これから買う人は、一応翻訳を一部読み比べてから買ったほうがいいかも。
個人的に第1期の中では一番印象に残りました。
自分はまったく世界文学に対して門外漢でした。今回、池澤夏樹文学全集を良い機会に、世界文学にチャレンジしているものです。
第1期を読破して振り返ったとき、一番「面白かったな」と思い出すことが出来たのがこの「ハワーズ・エンド」でした。
しかし、一方、月々読んでいて、一番ペースが遅れたのも「ハワーズ・エンド」でした。理由は皆さんご指摘の翻訳の問題。他の訳者が訳されたものと読み比べていないのでもしかしたらこの訳だからこそ面白かったのかもしれないです。けれど、見慣れない日本語でした。
「ただ結びつけることさえすれば・・・」という扉の文句に集約される物語。文化的、政治的、色々切り口はあるけれど、自分はなにより家庭小説として読みました。ウィルコックス氏とマーガレット程ではないにせよ、夫婦で価値観が異なるのは当たり前。それを諦めたり攻撃したりする方向に持っていかず、必死で繋げようとするマーガレットの姿にとっても好感を持ちました。それに対して、ウィルコックス氏の鈍いこと!ヘレンの偏狭なこと!ある意味パロディな展開でした。
この作品の題名になっている「ハワーズ・エンド」はウィルコックス氏の前妻で、マーガレットの友人であった夫人の愛した家。最初はなんでこんな題?と不思議でした。夫人は旧時代の夫に付き従うのが当たり前な人だったけど、それでも新しい世代のマーガレットも受け入れていく。最初にそうやって繋がっていく一歩を踏み出した人だった。その人が愛した家というのが、「繋がること」の象徴となっているのは全部を読んだときすとん、と心に届いてきました。そのプロットの構成の見事さに「御見逸れしました」と思わず頭を下げました。
格言になりそうな言葉が一杯あることもこの作品の魅力です。今手元に本がないので書けませんが、読んでて付箋で一杯になりました。
既に古典となっている名作
フォースターの作品は映画化されているものが多いので、この作品も映画でご覧になった方も多いと思います。「ハワーズ・エンド」は、フォースターお得意の階級や文化の違い、そして男女の違いによるすれ違いを描く名作として知られます。特に19世紀から20世紀初頭のイギリスの歴史や文化の好きな方には、当時の雰囲気を楽しめると思います。ただ、フォースターやヴァージニア・ウルフ等の既に古典となっている作品が、この「世界文学全集」で現在活躍中の作家の近作と同列に扱われているのには、やや違和感があります。20世紀初頭の古き良き時代を味わうべき作家なので、現代文学のファンにはやや飽き足らないかもしれませんが、当時としては階級社会の問題点など、社会性のある大胆な視点で描いた作品だったと思います。古典を楽しむ感覚でお読みください。





