「格差」の戦後史--階級社会 日本の履歴書 (河出ブックス)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #14392 / 本
- 発売日: 2009-10-09
- 版型: 単行本(ソフトカバー)
- 229 ページ
エディターレビュー
内容紹介
【目次】
序 章 舞台装置は階級構造――「フィガロの結婚」と「天国と地獄」をめぐって
第1章 格差をどうとらえるか
第2章 格差縮小から格差拡大へ――戦後日本のメガトレンド
第3章 貧しさからの出発――敗戦から1950年まで
第4章 「もはや戦後ではない」――1950年代
第5章 青春時代の格差社会――1960年代
第6章 「一億総中流」のなかの格差――1970年代
第7章 格差拡大の始まり――1980年代
第8章 日本社会の再編成――1990年代
第9章 新しい階級社会の形成――2000年代
格差/貧困論議には長期的な視野が欠けている。様々なデータを駆使し、各年代を象徴する事件や出来事を交えつつ、敗戦直後から現在に至る格差と階級構造の歴史的変遷を描く。日本社会論必携。
内容(「BOOK」データベースより)
高度経済成長以降、完全に忘れられていた格差と貧困の問題が噴き出している昨今、日本人は社会科学的思考に目覚めはじめたと言える。しかし、格差には多様な側面がある。戦後六十数年の間に、どのような格差の拡大や縮小があったのか―。さまざまなデータを駆使し、各年代を象徴する事件や出来事を交えながら、敗戦直後から現在にいたる格差と階級構造の歴史的変遷を描く。
著者について
1959年生まれ。武蔵大学社会学部教授(社会学)。データを駆使して日本社会の階級構造を浮き彫りにする。また、趣味と研究を兼ねて「居酒屋考現学」を提唱。『階級社会』、『新しい階級社会 新しい階級闘争』など。
カスタマーレビュー
長期的分析に耐える方法としての「階級」論
河出ブックス創刊の一冊。別の一冊、石原千秋の『読者はどこにいるのか』によると、出版社はこのシリーズの読者を「大学生以上、知的な大人まで」と想定しているそうだ。それにふさわしい一書。
著者は、今年2月刊行の『貧困連鎖』では貧困の現状とその打開策を、具体的な事例や政策案を挙げて述べていた。だが本書ではそれを「禁欲」している。副題に「階級社会 日本の履歴書」とあるように、著者の持論である「階級」という切り口で日本の戦後を通覧。さらに近年登場した「アンダークラス」を新しい階級と位置付ける。本書の狙いは、日本社会の長期的分析に「階級」という方法論を定着させることだと見た。
「貧困」や「格差」は表面に現れた現象だが、それらに「階級」という一つの物差しをあてはめることで、現状のみならず未来に起こりうる問題についても、それが根本的に何であるかが把握可能になると、著者は考えている。さて、民主政権はこうした書物をどう読むのだろうか。
戦後日本社会総括の一視角
「階級」という言葉は、長らくマルクス主義イデオロギーの特定用語と見られがちであった。それゆえ、冷戦社会の終焉後、それは死語と化した感があった。著者は近年、現代の格差社会に対してこの概念を「復活」させることによって、むしろ斬新と思われる論を展開している。
本書で著者は、この階級概念で戦後日本社会の社会構造変化を年代ごとに様々なデータを駆使して分析してみせる。それによって、当時は時代的制約によって「階級論者」によっても見落とされていた問題を新たに掘り起こし、これまでの「常識」を覆していく。曰く「敗戦後の五年間は、経済的な格差が比較的小さかった」、「経済的格差は、六〇年代初めにピークに達し」た、「『一億総中流』論が完全に見落としていたのは、企業規模間格差の存在である」、「(八〇年代)格差拡大は、まず中小零細企業労働者の貧困をもたらした」等々。そして、現代の非正規労働者も「労働者階級」以下の「アンダークラス」と位置づける。
かくして、「格差と貧困の背後にある社会の構造そのものを問題にするためには、階級、そして階級構造という概念を使う必要がある」という著者の論は、極めて説得力を持ってくる。
付言すれば、著者は各年代ごとに世相を映し出す様々な人物やできごと―吉永小百合や全共闘運動、東アジア反日武装戦線、秋葉原無差別殺傷事件等を取り上げているが、その切り口が時に奇抜で小気味いい。




