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快楽の館 (河出文庫 ロ 2-1)

快楽の館 (河出文庫 ロ 2-1)
By アラン・ロブ=グリエ

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  • 発売日: 2009-04-03
  • 版型: 文庫
  • 212 ページ

エディターレビュー

内容紹介
英国領香港の青い館〈ヴィラ・ブルー〉で催されるパーティ。麻薬取引や人身売買の話が飛び交い、ストリップやSMショーが行われる夢と幻覚の世界。独自の意識小説を確立した、ロブ=グリエの代表作。

内容(「BOOK」データベースより)
女の肉体に眺め入る。麻薬や人身売買が横行し、スパイが暗躍する英領香港の一郭、青い館が催す夜会。そこで出会った娼婦を手に入れるため金策に走り出す。一方では老人の不可解な死…あざやかな幻覚が紡ぎ出すエロティシズムの体験。小説の枠を解き放ち新しい小説の旗手となった、ロブ=グリエの代表作。

著者について
1922年ブレスト生まれ。53年『消しゴム』でデビュー後、ヌーボー・ロマンの旗手として活躍。著書に『嫉妬』『迷路のなかで』『幻影都市のトポロジー』『反復』他。映画監督としても活躍。2008年没。


カスタマーレビュー

ひたすら冗漫で理解し難く読み終えて何ひとつ心に残らない真に残念な一冊でした。2
ヌーヴォー・ロマン(新しい小説)の旗手と呼ばれたフランスの文学作家ロブ=グリエが1965年に著した作品です。
ぼくは夢の中で女たちの肉体を想い、目がさめていても女たちのイメージに悩まされ続けている。そんな夢か現か判然としないぼくの妄念が英領香港の一郭にある青い館(ヴィラ・ブルー)を舞台にして展開する。館の女主人レディ・アーヴァが催す夜会で出会った娼婦ローレンを手に入れる為金策に乗り出す〈アメリカ人〉或いは〈ラルフ卿〉と呼ばれる男ジョンソン氏、そして謎の老人エドゥアール・マヌレの不可解な死のという大きな二つのストーリーが絡み合いながら語られて行く。
本書は全体で200頁にも満たない掌編ですが、楽勝と思いきや意外にも読み終えるのが困難で非常に疲れました。最初に驚いたのは老人マヌレ氏が何度も違う手口で殺される場面が出て来る事で、「あれっ、確かさっき死んだはずなのに」と思っていると次の段落では再び生き返っており、(著者が時間の推移をわざとねじれさせて書いているという事も影響している様です。)あまりの出鱈目さに戸惑いっ放しで一体どう考えたら良いのか理解に苦しみます。次に感じたのは著者の謎に迫るアプローチがどう考えても大して関係なさそうな‘犬を散歩させる侍女’の行動を執拗に描写して見当外れのどうでも良い様な疑問ばかりを並べるけったいな代物だという点で、これまた意図する所がさっぱり解りません。そして全体として著者は錯綜するストーリーに最初から答を出す気がなく終始深く考えずに都度頭に思いついた事をそのまま書いている様に思えます。本書はミステリアスな雰囲気を漂わせるだけで実際はミステリーではありませんし、しかも題名から期待されるエロティシズムの面もそれ程えげつない訳でなく情熱も感じられない中途半端な出来に失望しました。私にとって理解し難く読み終えて何ひとつ心に残らない真に残念な一冊でした。

訳に難あり?3
旧版を読んだだけですが、今回の新訳も同じ訳者のようです。
訳そのものはまあまあなんでしょうけれど、解説がいただけません。アクションムービーとかのパロディみたいなことが書いてあったりで。これじゃあ、某国営放送の文学解説と変わりません。
ロブ=グリエが目指したものは、もっと別なところにあったはずでは?
それまでの文学が虚構における解放や革命を表現した「革命の文学」なら、ロブ=グリエの目指したのはもっとラジカルな「文学の革命」といったものだった。むしろ、文学の根底にこそ打破されるべきブルジョア社会の基盤や意識が隠されている、作者はその基盤を揺るがせ差異を生み出すことを、読者とともに挑んでいる。僕はヌーヴォーロマンをそんな風に解釈しています。今こそ、とは21世紀の現状では言いがたいですが、未来に向けて読まれるべき作品かもしれません。