日本の悪霊―高橋和巳コレクション〈9〉 (河出文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #376340 / 本
- 発売日: 1997-01
- 版型: 文庫
- 490 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
特攻隊員として、国家のために死を決意しながら、生き残った刑事。戦後の激動期に、革命の尖兵として火焔瓶闘争から殺人までも犯してきた被告。執拗に被告の過去を探る刊事の胸の底に、いつしか奇妙な共感が…ミステリアスな展開を通して、罪と罰の根源を問う代表的大作。
カスタマーレビュー
罪と罰を鬱々と描き出す独特の世界に思わず時を忘れる
没後25周年を記念して埴谷雄高、川西政明の監修で発行された。
『憂欝なる党派』と並ぶ代表作、高橋和巳の罪と罰を鬱々と描き出す独特の世界に思わず時を忘れる。
巻末の三島由紀夫との対談『大いなる過度期の論理』と三枝和子のエッセイ『わが青春の京都時代』も興味深い。
タイムトラベル
高橋和己という作家を知ったのは最近だった。
「邪宗門」が読みたかったが、見つからなかったので、この作品を読んだ。
一読、今の小説には見られない観念的かつ政治的な文章表現にくらくらしながらも、
そして、無数に欠陥と思われる部分を感じながらも、なにか胸を打つものを
同時に見いだせたのは確かだった。
かつて正しいと信じ没入した価値が、ひっくり帰ったとき、私たちは、
そのかつての自己をどのように受け止めればよいのか。
そこに答えはなく、だからこそ文学があるのだ。
もはや底が抜けてしまった現代日本においてここにリアリティーを感じるのは
難しいかも知れないが・・。
だから、この作品は、大文字の「文学」を感じさせる点で古くさく、
だからといって、読み継がれる古典にもなりそうにない。
忘れられている現状は、おおむね妥当であるように思われる。
それが作品のテーマと重なり合っているようにも思われるのは皮肉であるが、
しかしそういう意味では逆に筋が通っている作品と言えるかもしれない。
なぜなら、それを担保する比類無い誠実さがここにあることは間違いが無いからだ。




