黒田清 記者魂は死なず
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #44876 / 本
- 発売日: 2005-12-16
- 版型: 単行本
- 356 ページ
エディターレビュー
出版社 / 著者からの内容紹介
黒田軍団をひきいて庶民の側にたった社会部記者として闘い抜き、ナベツネ体制と真向からぶつかった魂のジャーナリスト黒田清。その誕生から死までの波乱にみちた軌跡を厖大な取材と証言によってたどる渾身にして唯一の伝記。
内容(「BOOK」データベースより)
「報道とは伝えることやない。訴えることや!」大阪読売の社会部長として「黒田軍団」をひきいた伝説のジャーナリスト・黒田清。最後まで全身で闘い続けたその波乱の生涯を半世紀にわたって書き綴られた日記と厖大な資料をもとに描く、初の伝記。
内容(「MARC」データベースより)
大阪読売の社会部長として最強の社会部記者集団「黒田軍団」を率いた伝説のジャーナリスト・黒田清。新しいジャーナリズムの在り方に挑戦し、最後まで全身で闘い続けた波乱の生涯を、半世紀にわたる日記と厖大な資料で辿る。
カスタマーレビュー
黙って読むべし。
黒田氏の訃報をテレビで知り、何もできなかったことを思い出した。
市井の人であり、かつ市井の側にたって記事を書きつづけた黒田氏
の姿は、巷のビジネス書を凌駕するものでもあり、当方も故人の仕事を
参考にしながら日々の仕事をしている(どこまで追いつけるかと
自問しても追いつかないにはわかっているが)。
晩年の行動には賛否あるが、真意を知り理解できた。
読売新聞大阪本社社会部一筋。遊軍から次長、そして部長へ。
プレイングマネージャーとして先頭にたって記事を書きつづけた
姿は詳しくかかれているが、それはそのまま「仕事とは」「新聞とは」
「人生とは」を語っている。
毀誉褒貶はあったかもしれない。しかし、没後に他紙が黒田氏の
記事を紹介していたことからも、「大阪ジャーナリズム」を象徴した
のがわかる。
間に合った。「黒田ジャーナリズム」をいまに問う労作
現役の新聞記者に黒田清の話をすると、「彼の仕事は記者の一面
にすぎない」と評価する人が多い。新聞記者の王道は「事件記者」
であり、ネタ(=捜査員、検察官などネタ元)に食らいつき、それ
を大きく紙面で展開できる者が強い者というのが、かの世界のセオ
リーだ。
黒田清はそれに真っ向から勝負を挑んだ社会部長だった。その方
法は「街ネタの発掘」。小さな題材をふくらませ、社会の大きな問
題を問う企画を連発し、それが「窓」「戦争」などとして結実し
た。一方、「武器輸出」「警官汚職」など調査報道によるスクープ
も数々放った。しかし、自分で考え、読者に届く言葉を紡ぐ黒田の
手法は、新聞を使って読者をリードしていきたい勢力によって潰さ
れる。独立して自分の路線を貫こうと「黒田ジャーナル」を興した
黒田は……
本書は、黒田をよく知る編集者が、黒田の残した膨大な日記と関
係者の綿密な聞きとりを元にその全体像を描いた労作だ。黒田の
「人間」を描くことは成功しており、臨終の場面は圧巻である。
組織と個人についての本としても優れる。大阪読売で黒田が潰さ
れた経緯は、「ナベツネvs黒田」の簡単な図式で語られがちだが、
組織内部の追従者や裏切者、そしてとばっちりを恐れる大多数のサ
イレント・マジョリティによって葬られたのだという「恐ろしさ」
をよく調べている。また、独立後の黒田とスタッフの齟齬、事業が
うまく運ばない焦りなど、大組織を出てから黒田がもがいた軌跡を
赤裸々に描いているのにも敬服する。著者が黒田に私淑しているの
は明らかなのに、よくここまで書いた。
新聞は今、冒頭に挙げた記者たちの固定観念自体が、ネットでの
情報流通の発達で大きく揺るがされている。しかし、新聞を攻撃す
るネットユーザーも、ジャーナリズムをほとんど知らないし、その
必要性も考えた節はない。だから不毛な争いが続いている。黒田が
生きていたら、何というだろうか。
感動の人物評伝!
黒田清さん。晩年は筑紫哲也の番組などにもよく出ていたため、名前も顔も知ってはいた。でも、有名な新聞記者だったということ以外は、正直よく分からなかった。
今回この本を読んで、黒田さんの人となり、そしてどれだけ優れた(というのは、取材能力や執筆能力はもちろん「人間的にも」という意味も含め)記者だったか、ということを知ることができた。
いやはや、すごい人だ。ぼんやりと抱いていた、正義感に溢れ、強きを挫き弱きを助ける、熱血の「社会部記者」というイメージをそのまま体現したような人だ。そんな黒田さんの気質が、ナベツネとの確執にもつながったのだろうけど。「社内における立場よりも自分の信念を優先させた男」という、紋切り型な表現には収まらない、人としての深みをたたえた人だったのだとよく分かった。
それにしても、人物評伝でこんなに泣けるとは思わなかった。著書の筆力・取材力に感服です。ジャーナリズムの世界に身を置く人はもちろん、マスコミ志望者全般にとっての必読書と言えるでしょう。





