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こうちゃん

こうちゃん
By 須賀 敦子

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  • 発売日: 2004-03-11
  • 版型: 単行本
  • 79 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
須賀の創作の原点、唯一遺されたちいさな物語を酒井駒子の画とのコラボレーションで。「わたし」と「こうちゃん」が出会う花や木々や生き物たち、季節のうつろいに彩られた日本とイタリアの風景が、思索にみちた言葉で綴られる。

内容(「BOOK」データベースより)
こうちゃん、灰いろの空から降ってくる粉雪のような、音立てて炉にもえる明るい火のような、そんなすなおなことばをもうわたしたちはわすれてしまったのでしょうか―ただ一つのこされたちいさな物語。

内容(「MARC」データベースより)
「わたし」と「こうちゃん」が出会う花や木々や生き物たち。季節のうつろいに彩られた日本とイタリアの風景が、思索に満ちた言葉で綴られる。須賀が、ただ一つのこしたちいさな物語。


カスタマーレビュー

心が静かになる言葉のリフレイン4
須賀敦子さんが静かに心の中でゆっくりと温めていたお話なんだと思いました。だから、何度も繰り返して須賀さんの心で反芻していた言葉を確かめながら、ひとつひとつ味わいながら読みたい。時には、声にだして読みたい本です。秋のひっそりと明るい日にこの本とともにいたい。芝草の上のことや普段は、気がつかない小さな毎日の世界に息づく何かを思い出させてくれるこの本。誰の心のなかにも“こうちゃん”は、訪れたことがあるのだと思います。そして、知らぬ間に大人になってしまうのかもしれない。

さがしていた本5
「須賀敦子」という名にひかれて本屋さんで手に取りましたが、作品のもつあまりの力に圧倒されると同時に、なにかとても清冽なものを感じて、書店の中なのに涙で視界がにじみました。
(赤い目でレジに向かいました・・・・・・。)
ああ、こんな本を待っていたのだ! ずっとさがしていたのだ!
そのような最初の感想が、いま、ますます強くなっています。
酒井駒子という画家の、すばらしさにも驚きました。こんなにもすばらしい絵を描く人がいるのだと、しばらく夢中になりました。画家の作品への理解の深さにも胸うたれるものがあります。表紙の子羊を抱えた絵が、実に象徴的です。

美しい日本語と、透明感のある絵との、素敵なハーモニー5
ゆったりした文章のリズム。ひらがなの多いやわらかな日本語。
ゆっくりと、ゆっくりと、味わうようにして読んでいきました。

須賀さんの文章、なんて綺麗なんでしょう。
言葉のひとつひとつが黄金色に光り、やさしく微笑んでいるようでした。

「こうちゃん」て何だろう?
日本語の言葉のようでもあり、かけがえのない思い出のよう

でもあり、須賀さんには見えていた精霊のようでもあり……。
きっと、人それぞれに「こうちゃん」からイメージするものは
違っているのでしょうね。
でも、それはきっと美しいもので、「こうちゃん」を見ることのできた
人の心を明るく、くつろいだものにするのだろうと、そんな気がしました。

須賀さんのお話と寄り添うように描かれた酒井駒子さんの絵が、
とても素晴らしかった。須賀さんの文章と美しいハーモニーを奏でている
ような、透明感のある絵の数々。
言葉と絵との幸福な二重唱。
胸の中にあたたかなものが広がりました。