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海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)

海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫)
By 氷室 冴子

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  • 発売日: 1999-06
  • 版型: 文庫
  • 302 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
大学1年の夏、杜崎拓は故郷高知に帰省した。親友・松野と里伽子のわだかまりも解け、気分よく東京に戻った拓の部屋に、年上の女性、津村知沙が入り込み泥酔し寝ていた。「その年上の女、たたるぞ」という松野の言葉が拓の脳裏に甦る。不倫の恋に傷ついた知沙。離婚した父とその再婚相手との間で傷つく里伽子。どうしたら人は人を守れるのだろう?さまざまな思いと痛みが交錯しながら拓は東京ではじめての冬を迎える―。

内容(「MARC」データベースより)
東京の大学に通っているぼくは、夏休みにひさしぶりに高知の実家に帰省した。そして思いがけないことにその夜のクラス会に、あの武藤里伽子が出席したのだ…。青春時代の切なさを思い出させてくれる。*


カスタマーレビュー

海がきこえる、完結編。5
海がきこえる、続編です。

友人松野との和解、そして里伽子との出会いと実り多き帰郷をした
主人公拓が、東京に戻って、里伽子とうまく行くのか、と思いきや、
そうはうまくいかない、実に現実の世界を感じさせるリアリティさを
存在させながら、物語はあいかわらず淡々と進んでいきます。
ただ、今までと違い、拓と接するうちに、里伽子も徐々に拓に自分の
本心をさらけ出すようになっており、そこは拓に対する里伽子の
信頼度も上がっている様子が伺えます。

そして、里伽子と拓が本当の意味で通じ合える場面が、この作品の
クライマックスにあります。
里伽子のいいところも悪いところも全てを受け入れて、里伽子の事を
本当に好きなんだなぁ、と感じさせる拓、そして、なんだかんだいって
も、やっぱり拓のことを頼りにしている里伽子、お互いがお互いを
信頼している様子は、読んでいてすごくさわやかな気分になりました。
やっぱり、これを超える作品はない!、と再確認させられました。
海がきこえるファンは、必読すべき作品です!

海と君が5
「舞台」は「土佐」から「東京」に、高校から「大学」に、移り
どことなく前作に比べ、さつばつとして、寂しい感じがあります。
もちろんそれは前作からの流れから感じるものですが。

東京に来ても彼女に利用される主人公
しかし、彼女の本当の苦しみを理解できる優しい主人公
物語が進むにつれ、前作の雰囲気から一転して
冷ややかな雰囲気が流れはじめます。
そんな中での主人公の優しさは
物語全体の暖かさだったことに気づきました。
わずかに感じる嫉妬や苛立ちが、思いを募らせていきます。
彼女が主人公に対して今までにない、
素直な感情を見せたとき
物語はラストを迎えます。

こんなに心あたたまる作品は他にないでしょう。
私の一番のお気に入りです。

半永久的な青春小説、大學編。5
海がきこえる、拓と里佳子の大学編ストーリーです。
前作、高知に戻って、物語がどこか懐かしい穏やかな雰囲気に
包まれていたのに対して、東京に帰ってきて、あわただしい
喧騒に囲まれた生活が復活すると同時に、二人の関係もまた
どこかかみ合わない、ギクシャクしたものと戻っていきます。

そんな中でも、割と冷静に少々冷めた様子で自分を見つめている
、また同時に里佳子の複雑な心のうちもなんとなく理解してあげる
拓が、ものすごく印象的で、好感が持てます。
里佳子が素の心を拓にさらけ出す最後のシーンは、心が通じ合う、
信頼する、ってこういうことなんだよね、って、読んでいる自分も
気持ちが高ぶるのを感じました。

普段忘れがちな何か大切なものを、読み手側に再び思い出させて
くれる、そして、心を暖かくさせてくれる、こんな気持ちを
自然と感じさせてくれる作品は、他には見当たりません。
私にとっては、不朽の名作です。