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楽園の眠り

楽園の眠り
By 馳 星周

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  • Amazon.co.jp ランキング: #402257 / 本
  • 発売日: 2005-09-21
  • 版型: 単行本
  • 461 ページ

エディターレビュー

出版社 / 著者からの内容紹介
救いのない現実.しかし走らなければ、先は見えない。焦燥と、絶望が行動するエネルギーに火を点す。新境地を拓く馳ノワール!

内容(「BOOK」データベースより)
おさな子のやわらかい肌。いたぶる自分、止められない!女子高生と刑事。夜の闇の中、底なしの慾望と孤独に苛まれる男と女。罪悪感は加虐心を加速させる。幼児虐待に潜む暗い罠。現実世界と切り結ぶ最新長編。

内容(「MARC」データベースより)
女子高生と刑事。夜の闇の中、底なしの慾望と孤独に苛まれる男と女。罪悪感は加虐心を加速させる。幼児虐待に潜む暗い罠。現実世界と切り結ぶ、深化した長編小説。『週刊アサヒ芸能』に掲載したものを加筆、訂正して単行本化。


カスタマーレビュー

子どものいない人には理解しがたい世界4
馳作品の新境地とも言える、幼児虐待をテーマにした作品。
感想はといいますと、虐待にあった子どもが主人公というお話は良くあるのですが、
虐待をしている親の心情を掘り下げ、赤裸々に描いた作品というのは
ちょっと新しいかも、と思いました。

私も子どもを持つ親ですが、親なら誰だって子育ての壁にぶち当たることはあります。
なので、この物語の親の気持ちも少しだけならわかる気がする。
子どもの行動が自分の思い通りに行かず、イライラすることなら誰だってあるから。

でも、たぶん子どものいない人には、あの親たちの葛藤や苦悩を
理解できる人はいないだろうな、と思いました。
でも私は本当に読んでいて苦しかったです。
こんな目にあっている子どもが世界中に何万といるかと思うと。

最近の若い人たちは、親になる前にまず読んでみたら、と思います。
欲しいと思わずに子供を作ると、こんなことになりかねないと知ってほしいです。

残念2
全く面白くない。子供虐待する刑事とその子供と逃避行する女子高生の話。この程度の内容なら誰でも書ける。馳氏に期待しているのは、「夜光虫」や「漂流街」に書かれた様な濃密なノワール世界である。本書は描写に迫力が全く欠けている。生誕祭の頃から同氏のノワール色が薄くなって来ている気がする。手に汗も握らないし、感情移入も出来ない。確かに同氏の新たな地平を拓く作品だったが、次回作は原点に立ち戻ったクライムノヴェルを是非読みたい。

読むドメスティックヴァイオレンス、文字というサディズム。4
愛を失った少女と愛をとりちがえた父親が、愛をわからない子供を軸にして携帯を通じて結ばれている。冒頭の刺激的な描写から惹き込まれていってしまう。出会い系を通じてうごめく欲望は想像を遥かにしのぎ、そのどろどろとした電波の中で刑事の父親が携帯に支配されていく様は、出会い系へのアンチテーゼにもなっている、街中で憑かれたように携帯のキーを叩く人間を見かけるが誰もが「あの欲望」かと思ってしまい、自分の携帯の振動に恐さを感じてしまう。

刑事の父親が高校生に翻弄され、高校生は大人にだまされる。さらに虐待というネジ曲がった愛がそこかしこに存在する事で単なる追いかけっこになっていない読み応えのある作品。読後の虚無感は頭にざらつくこと必至。子供にとっての平安はどこにあるのだろう。

馳星周にして「池袋」が舞台、新宿に劣らず奥の、闇の深い街だけに今後の舞台にもなりうるかもしれない。池袋の猥雑さというスパイス、携帯という底なしのソースとがもっと利いてくれれば、というのはわがままか。