カラフル (文春文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #20731 / 本
- 発売日: 2007-09-04
- 版型: 文庫
- 259 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
生前の罪により、輪廻のサイクルから外されたぼくの魂。だが天使業界の抽選にあたり、再挑戦のチャンスを得た。自殺を図った少年、真の体にホームステイし、自分の罪を思い出さなければならないのだ。真として過ごすうち、ぼくは人の欠点や美点が見えてくるようになるのだが…。不朽の名作ついに登場。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
森 絵都
1968年東京生まれ。早稲田大学卒業。90年『リズム』で第31回講談社児童文学新人賞を受賞しデビュー。同作品で第2回椋鳩十児童文学賞を受賞。『宇宙のみなしご』で第33回野間児童文芸新人賞、第42回産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。『アーモンド入りチョコレートのワルツ』で第20回路傍の石文学賞を、『つきのふね』で第36回野間児童文芸賞を、『カラフル』で第46回産経児童出版文化賞を受賞。『DIVE!!』(全4巻)で第52回小学館児童出版文化賞を受賞。2006年『風に舞いあがるビニールシート』で第135回直木賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
魂のホームステイ
死んだ魂である「ぼく」が抽選にあたり、
自殺した少年・真として生活し、
修行することで輪廻の輪に戻れますよ、と天使にいわれる。
断ることはできないため、しぶしぶ真として生活をはじめる「ぼく」。
真の家庭は、一見幸せな家族に見えるものの
中に入ればいろいろある、というある意味しごく平凡な家庭。
真自身、どこにでもいそうな平凡な少年で、
それでいて中学生で自殺するという真の選択が
ごくありうる選択として、描かれています。
真の周囲の人間も、きわめて平凡な人間の集まりで、
それらを死んだ魂として客観的に見ていた「ぼく」は
真が見ることがなかった、彼の人生の続きをひきつぐことで
ひとつの結論に達します。
天使や生まれ変わりといったファンタジックな要素を持ちながらも
現実的な生活がしっかりかかれた作品です。
重いテーマですが、さわやかに描かれています。
秀作。
名作、いよいよ文庫化です!!
森さんの代表作の一冊として、永遠に輝き続けるに違いない『カラフル』。
死んだ「ぼく」の魂は、生前の罪により輪廻のサイクルから外されるはずだったが、再挑戦の機会を得た。下界で「真」という自殺した中学生の体を借りて修行をつみ(ホームステイと呼ぶ)、なくした生前の記憶を取り戻し、犯した罪を自覚すれば成功だという。ガイド役は天使。ファンタジックというより突拍子もない設定。だがぐいぐい引き込まれる。
人のよさそうな「真」の家族に安心したのもつかの間、失望、絶望、降りかかる災難。しかしホームステイの気安さから、本当の「真」はつまずいたらしい学校生活にも何とか適応し、ともだちもでき、さらには家族の意外な面も見えてきて・・・「ぼく」は「真」がかけがえのないものをふいにしてしまったことに思い至る。
重いテーマを軽やかに、心に染みる物語として、森さんは読者の前に差し出してみせた。ストーリーテリングの力、生き生きとした会話、丁寧な心理描写、じーんとくるエピソード。何よりも読者が、限られた情報を頼りに「真」として生きる「ぼく」と一緒に、少しずつ「真」自身を、周りの人を理解していくしかけが効いている。いろいろなことを知った「ぼく」がとりかえしのつかない「真」の人生を思って涙するのと一緒に、読者も同じ痛みを味わうことになるのだ。終盤、「自殺」を「殺人」と置き換えた「ぼく」の言葉が、説教くさくも空疎にも軽はずみにも響かず、すとんと心に収まるほどに。さて「ぼく」の再挑戦は、失われた「真」の人生は・・・
さまざまな色合いを秘めた人たちで構成されるカラフルな世界。その魅力的で複雑な世界を生き抜くヒントがぎっしり詰まった名作だ。
カラフルの意味は?
死んで魂だけとなった僕。大罪を犯して死んだ僕の魂は、輪廻の輪にははいれず、消滅させられる規則。ところが、天使から、「幸運にも抽選であたった!」という理由で、下界でもう一度生き直すチャンスが与えられる。前世の記憶を一切消された僕は、真という中三の少年の体を借りて、下界で暮らすこととなる。
家族は、ごくありふれた平凡な4人家族。明るく世話好きの母。善人を絵にかいたような父。無口な兄。ところが、実際生活してみると、学校ではいじめられ、明るく世話好きに見えた母親は、不倫をしているし、父親は、実は自己中。兄は真のコンプレックスをからかってばかりの嫌味な奴。内実はとんでもない奴らの集合体だった。さらに、学校で思いをよせるひろかは、中年オヤジと援助交際。
もともと、生きることを投げている魂の真。しかも、与えられた命の修行期間は1年間。他人だからこそ擬似家族はじめ、回りにいる友人らの抱える矛盾に我慢がならず、するどく指摘。
ところが、意外にも、そのときもたらされた相手の反応は、それまでの自分の、一方的・表層的な見方(つまり、白か黒かというような二者択一的思考)を覆すものであった。
次第に、人間は、もっと複雑で、白、黒簡単に判断できるものではなく、見方によって、また、受けて側の成長によって、いろんな色にみえる(つまりカラフルになっていく)ということに気づいていく。
重いテーマを扱っていますが、作者のファンタジックな構成と筆力で、あっという間に読め、読後はさわやか。森絵都作品ははじめてでしたが、是非他の作品も読んでみたくなりました。





