夏草の賦 [新装版] 下 (文春文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2005-09-02
- 版型: 文庫
- 319 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
もし、おれが僻地の土佐ではなく東海の地に生れていたならば…長曽我部元親は嘆く。強盛を誇った信長が斃れても、素早く跡を襲った豊臣秀吉によって、営々と築きあげてきた四国に侵略の手が伸びてきた。そして再び土佐一国に、押し込められようとしている―土佐に興り、四国全土を席巻した風雲児の生涯。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
司馬 遼太郎
大正12(1923)年、大阪市に生れる。大阪外国語学校蒙古語科卒業。昭和35年、「梟の城」で第42回直木賞受賞。41年、「竜馬がゆく」「国盗り物語」で菊池寛賞受賞。47年、「世に棲む日日」を中心にした作家活動で吉川英治文学賞受賞。51年、日本芸術院恩賜賞受賞。56年、日本芸術院会員。57年、「ひとびとの跫音」で読売文学賞受賞。58年、「歴史小説の革新」についての功績で朝日賞受賞。59年、「街道をゆく“南蛮のみち1”」で日本文学大賞受賞。62年、「ロシアについて」で読売文学賞受賞。63年、「韃靼疾風録」で大仏次郎賞受賞。平成3年、文化功労者。平成5年、文化勲章受章。平成8(1996)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
四国に生きた”準”英雄
戦国時代の四国の雄、長曾我部元親のことを描いた『夏草の賦』の下巻です。
上巻に続いて彼の覇道が拝めるかと思いきや
彼の征する四国にも信長の権力が及んできてしまいます・・・
上巻でも言えますが、このように彼が信長のような
完全な英雄でないところが面白いと思います。
彼はあくまで”四国の”英雄にとどまってしまいます。
思うに、彼は信長とは違い、凡庸な所が多くあると思います。
そんな彼に四国を暴れまわらせたのは、司馬氏の言う「人間の情熱」。
人として生きるということについて考えさせられてしまいます。
おそらく、多少の才覚を持ち合わせて元親と同じ境遇に生まれたら
男ならみな、彼と同じ道を行くのではないでしょうか。
最後になりましたが、終盤の戸次川の合戦のくだりは男・・いや、漢なら
誰しも感動するでしょう。昔はかっこいい漢がたくさんいたんだなぁ・・・
知られざる戦国の雄
「功名が辻」を読んだ流れで土佐藩以前の高知に興味を持って読んでみました。四国統一を成し遂げたとはいえ、マイナーな扱いを受けている長曽加部元親。その人となりがよく描き出されている作品だと思います。また当時の土佐国が、日本の中でも後進地域であったことも驚かされ、「日本も広いなぁ」と妙に感心させられました。
ところで元親は天下を目指していたと語られており、土佐国に生まれていたことが彼の不運だったようなことが書かれていますが、私個人としては仮に本州に生まれていても天下を獲ることは無理だったと思います。本州には信長だけでなく、甲斐の武田や越後の上杉などがいたわけで、それらの武将と比較しても特に秀でた武将とは思えない。逆に本州に生まれていたら、早々と歴史の舞台から消えていたことでしょう。ラストはかつて四国を制覇したものとは思えない、切ない終焉が待っています。ぜひご一読を!
近代日本の素地を造った男
四国を統一した長曾我部元親についての本です。戦国時代の日本は織田信長の出現により七分型は統一国家になったわけですが、もし元親が京都に近い東海道沿線に地所を構えていたなら信長の統一活動はもうすくし遅かったか、あるいは元親が天下統一を果たしていたかもしれない、本当にそれくらいの武勇と精神を持ち合わせていた武将であることが分かります。長曾我部家は関が原において西軍に加わり、それがために取り潰され土佐は山内家が納め、その後坂本竜馬をはじめとする幕末の志士達が台頭するわけですが、その素地は元親が考え出した一領具足という半農半武の制度です。農民でありながら戦の時には侍として戦う彼らは土佐藩ならではの郷士という階級を作り、そのエネルギーが尊王攘夷と変わり、はたまた開国、明治維新へと変わって行ったのだと思うと歴史の面白さを感じます。

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