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赤い橋の下のぬるい水 (文春文庫)

赤い橋の下のぬるい水 (文春文庫)
By 辺見 庸

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  • 発売日: 1996-09
  • 版型: 文庫
  • 270 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
海水と川水が危うげに交じりあう河口の橋のたもとに、その女はいた。驚くべきからだの秘密をもてあましつつ、悲しげに…。性の奥深さ、不埓さを型破りに描き出す表題作他、女たちとの闇の道行きを綴った「ナイト・キャラバン」、日常に深く静かに忍び込む狂気をあぶり出す力作「ミュージック・ワイア」を併録。


カスタマーレビュー

たんたんと濃密に4
雰囲気は濃密で妖しい情景である。しかし文体はたんたんとしており、むしろ軽快である。妖しさがいやらしくならず、日常的であるところがいい。そこらへんにいる保険外交員がそこらへんにあるような男女の交わりを行う。そんな日常的な光景が、その男女のただ一つだけの違いを浮き彫りにする。辺見庸の少しの下品さと妖しさと哀しさがとてもいい。『もの食う人々』とはまた違った「小説」である。他に推奨作品は『ゆで卵』。

著者の心と精神の闇の一部が表出した佳作3編4
この小説に収められた3編は共同通信記者時代に戦地等の悲惨な土地を渡り歩いた辺見氏の心と精神の闇の一部が表出した物語だと感じました。

1.赤い橋の下のぬるい水・・・ある異常な体質を持つ首の長い美しい女とその女の異常性に魅かれ、病んで行く保険会社の若者の二律違反の物語

2.ナイトキャラバン・・・ハノイ駐在員と当地の風俗業を営む下層の人々の日常の出口のない倦怠と微かな命の輝きの物語

3.ミュージック・ワイヤ・・・自ら輝く力を失いいつか破綻せざるを得ない閉塞的な家族とそこに光を指す自らは心に闇を背負った男の一時の邂逅(精神の回復)と別れ(=元の破綻すべき日常へ回帰する)物語