意味がなければスイングはない (文春文庫)
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商品の詳細
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- 発売日: 2008-12-04
- 版型: 文庫
- 341 ページ
エディターレビュー
内容(「BOOK」データベースより)
待望の、著者初の本格的音楽エッセイ。シューベルトのピアノ・ソナタからジャズの巨星スタン・ゲッツの“闇の二年間”、ブルース・スプリングスティーン、Jポップのスガシカオまで、すべての音楽シーンから選りすぐった十一人の名曲がじっくりと、磨き抜かれた達意の文章で、しかもあふれるばかりの愛情をもって語り尽くされる。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
村上 春樹
1949年、京都生まれ、早稲田大学演劇科卒業。79年『風の歌を聴け』で群像新人賞を受賞、82年『羊をめぐる冒険』で野間文芸新人賞、85年『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』で谷崎潤一郎賞、96年『ねじまき鳥クロニクル』で読売文学賞、99年『約束された場所で underground2』で桑原武夫学芸賞を受ける。2006年、フランツ・カフカ賞、フランク・オコナー国際短篇賞、07年、朝日賞、坪内逍遥大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
待望の文庫化!
ここに書かれている文章は、4、5年くらい前に季刊誌
『ステレオサウンド』に連載されていたんですよね。
この雑誌、でかくてとても分厚くて、中身はオーディオ専門誌
なので、まあそういうマニアックなその名のとおりステレオの
話ばかりなんだけど、そんな中に、数ページ、
この村上春樹氏の文章が連載されていたんです。
当時、私は、本屋に行くたびに、その部分をコツコツと
立ち読みしていました。
なんせ2,000円以上する立派な季刊オーディオ専門誌なので、
数ページ分のそれのために買うことは、金銭的にも、
また置き場所的にも、とても厳しかったのです(苦笑)。
だから、これが3年くらい前だったかな?単行本化された時は、
おお!やった!!!と思い、すぐに買いました。
あえてジャンル分けすると、この文章は音楽エッセイというものに
なるらしいのですが、エッセイとは言いつつも、
ものすごく濃い内容のことが、
びっちりと緻密に書かれていたので、
立ち読みは、相当辛かったのです。
一回の連載分読むのに、数回に分けて、本屋に行く度、
立ち読みしてましたから。
その密度の濃さから、
一回読んだだけではとても足りるものではなかったので、
読んだ後も後ろ髪引かれてましたし。
たとえば
自分の好きなブルース・スプリングスティーンの回の時や、
興味のあるシューベルトのピアノ・ソナタの回の時なんか、
よっぽど、もう買っちゃおうかなと、
その立派な雑誌を持ってレジまで行きかけたりしましたが、
なんとか、がまんしました。
だから、単行本になり、それらが一冊にまとまったので、
ゆっくり味わいながら読めることが、とてもうれしかったのです。
このたび文庫化されたので、さらにそのことがもっと容易になりますね。
喜ばしいことです。
卓越したシューベルト論とウィントン・マルサリス分析に唸る
オリジナルは2005年11月25日リリース。何となく不可思議な文法になってしまっているこのタイトルがまた面白い。ジャズ喫茶のオーナーだった氏も今や音楽の全カテゴリーを射程圏内に入れ、全方位的に自らの感性に正しく論じている。 そして『ポートレイト・イン・ジャズ』よりもっとずっと深い洞察にまで到達している。
考えてみればこういう風に広い範囲で音楽を論じて一冊にした本というのは、初めてではないだろうか。吉田秀和はジャズやロックを論じなかったし、清水俊彦や植草甚一はクラシックやポップスを話題にもしなかった。ピーター・バラカンはシューベルトのソナタを論じられないだろうし、宇野功芳はスガシカオを知らないだろう。村上春樹のように感性のおもむくままに自分の『正』とした音楽を分野にとらわれず、深く掘り下げた人は今までいなかったのだと思える。そこがまずスゴイ。
ジャズ・ロック・クラシック・ポップスと分野にとらわれず聴いてきたリスナーがこの本を読めば、その広く深い洞察に感心しきりだ。ぼくは特にシューベルトのソナタ論のすばらしさが、かつてこの分野の評論家が一人として表現できなかった深遠さに到達していると思う。また、ウィストン・マルサリスの音楽の取り組み方を分析し、単に古典をキレイに再現することが実は音楽の創造とはまったく逆の取り組みであり、マイルスの生き様との比較の中で、真に感動する音楽・おもしろい音楽とは何なのか、を語る部分に一番感心した。ぼくも晩年のチェット・ベイカーに心酔している一人だからかもしれない。
何しろ読み応え十分。文庫化されてどこにでも軽く持って歩けることが特に嬉しい一冊だ。
村上春樹さんありがとう
しばらくこの人の文章から離れていましたが、
ひさびさに読んでみてやっぱりいいな、と思いました。
現在おいくつになったのか分かりませんが、感性のみずみずしさ
ところどころに出てくる「例え」の的確さ&面白さ
は衰えるどころかとても好調のように感じました。
愛している音楽が題材というのもあるのでしょうね。
目次をみて興味をひかれた所から読んでいるのですが、
スガシカオさんのことを書いた章で、自分の個人的な
行き詰まり感を解き放ってもらったような感覚を覚えました。
とても個人的な読書体験ですが、こんな小さな幸せを
与え続けてくれる村上さんに感謝してます。





