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愉楽の園 (文春文庫)

愉楽の園 (文春文庫)
By 宮本 輝

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  • 発売日: 1992-03
  • 版型: 文庫
  • 443 ページ

エディターレビュー

内容(「BOOK」データベースより)
水の都バンコクの運河のほとりで恋におちた男と女。めくるめく陶酔の果てに、ふたりはどこへ連れ去られていくのか。恋愛小説に新しい局面をひらいた、宮本文学円熟の成果。


カスタマーレビュー

タイの不思議な魅力を感じさせてくれる作品4
とけるような暑さのなか引きずり込まれるようにまどろんだ午睡のなかで現実と夢のあいだをゆったりと行き来するような不思議な心地よさを感じさせてくれる作品です。

境遇に身を任せあえて流れに抗わない女主人公がいざというときには鋭い決断と行動力を示すのも心地よく、絡み合った諸所の事情がどう展開するのか早く知りたく推理小説を読んでいるかのごとく作品に引きずり込まれながら読み終わりました。

人はみな個々にいろいろな事情を抱えながらそれぞれの立場で生きていかなければいけないのだ、というテーマがタイのゆったりした空気のなかで重たくなく描かれています。

愉楽の心理5
心理描写を自分の中で推理しながら読み深めていく、心理推理小説と言っていいかもしれない。恵子や野口が本当に求めているものは何か、本文中の彼らの語りの中にも表現されていないものを探す面白さがあった。
タイという舞台が愉楽の中で正直な自分を見出すのに適しているのかもしれない。

一度も行ったことの無い国だが、運河に浮かぶ船のバックに夕日が映えているようなそんな情景が浮かび、私も愉楽の中でゆっくり自分を探してみたい気がした。

こんな女性とはつきあいたくない2
自分を愛し庇護してくれていた男性Aがいたが、新たに惹かれる男性Bが現れたのでBと寝てしまう。彼女は結局Aの愛に応えるため、政治家としての汚い面も受け止めAと生涯をともにしようと心に誓うけれど、Aが卑劣な工作をしたと気づいて結婚するのがだんだんイヤになってくると急に、これまで嫌っていた友達ですらない男の味方になってしまい、彼がAから受けた屈辱をはらしてあげる、などと正義感ぶった理由をつけてAを捨てBのもとに走る。フラフラしていてあまりに他人任せで、この主人公なんとかしてほしいです。「美人」以外にもう少し人間的な魅力を持たせてあげられなかったんでしょうか。