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蕨野行 (文春文庫)

蕨野行 (文春文庫)
By 村田 喜代子

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  • 発売日: 1998-11
  • 版型: 文庫
  • 236 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
押伏村には、六十歳を越えると蕨野へ棄てられる掟がある。老人たちの悲惨で滑稽な集団生活。死してなお魂は生き永らえるのか──

内容(「BOOK」データベースより)
押伏村には、六十歳を越えると蕨野という丘へ棄てられる掟がある。だが、死を待つ老人たちは悲惨で滑稽な集団生活を送りながらも、生への意志を逞しくしていく。死してなお魂は生き永らえるのか?棄てられた姑と嫁の心の対話を通して、人間の「生」の本質に鋭く迫る、平成日本によみがえる衝撃の棄老伝説。

内容(「MARC」データベースより)
蕨野、そこは六十歳を越えるとだれもが赴くところ。あの世とこの世の間に宙吊りにされたジジババたちの、悲惨で滑稽、なおかつ高貴な集団生活。死してなお魂の生き永らえる道はあるか。平成日本に蘇る棄老伝説。*


カスタマーレビュー

村田さんの描くおばあさん達5
人は老いると、もともとの性質が顕在化するという。 蕨野行にはそんな老人達が描かれている。 村田さんの描く老人、特におばあさんたちにはいつも惹きつけられる。 「鍋の中」でも「龍秘御天歌」でも、そして「蕨野行」でも、ちょっと抜けていたり、したたかだったり、背筋が一本通っていたりする、おばあさん達なしには、物語りは展開しない。 ヌイよ~い、おばばよ~い、の呼びかけで各章が始まるこの小説は、物悲しいのに、なぜかほっとする読後感を残す。進み続ける高齢化社会の在り方に違和感を感じる方、是非ご一読を。  

納得して本を閉じることができる5
姥捨て、間引き…。凶作続きの貧しい山村では珍しくなかったであろうシビアな事実が、当事者の生活の一部として当事者によって語られる。傍から見ると残酷に映るこれらの風習を、具体的な背景や暮らしざまを伴わせることで、次第に一つのやむをえない選択肢として読み手に理解させるような説得力を持つ。「生きる」ことの面白み、憐れなだけではない「死にゆき方」を捨てられた側の立場から丁寧に描いている。「死」以外にありえない結末を曲げることなく、しかし希望的視点でとらえたラストの展開のおかげで、思いがけず幸せな気持ちで本を閉じる事ができる作品。

本ってすばらしい。だって・・・5
こんなに引き込まれる本にめぐり合えたのは何年ぶりだろう。どんな本にも心を揺さぶられることがなかなかなくて、それはきっと自分の感性が錆びついてきたからだろうと諦めかけていたのだけれど・・・。

とても凝った表現なのに、季節や景色、人の面持ちや心持ちが、これ以外には表現できないのではないかとおもうほどに、そこにすとんと収まる。

誰もが知っている「姥捨て」という重いテーマを通して、生きることのせつなさと凄さを真っ直ぐに投げてくる。
その凛とした力は何かを押しつぶすためのものでなく、いつのまにか猫背になっていた背筋を、ふと伸ばしたくなるような力・・・。

本ってすばらしい。だって、読むことで生きる力が湧いてくる。