あ・うん (文春文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #52242 / 本
- 発売日: 2003-08
- 版型: 文庫
- 233 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
神社の鳥居の狛犬のように親密な男の友情と、親友の妻への密かな思慕を、太平洋戦争をひかえた世相を背景にあざやかに描いた長篇
内容(「BOOK」データベースより)
つましい月給暮らしの水田仙吉と軍需景気で羽振りのいい中小企業の社長門倉修造との間の友情は、まるで神社の鳥居に並んだ一対の狛犬あ、うんのように親密なものであった。太平洋戦争をひかえた世相を背景に男の熱い友情と親友の妻への密かな思慕が織りなす市井の家族の情景を鮮やかに描いた著者唯一の長篇小説。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
向田 邦子
昭和4(1929)年東京生れ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家となりラジオ・テレビで活躍。代表作に「だいこんの花」「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」「隣りの女」等がある。55年には初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家活動に入ったが、56年8月航空機事故で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
カスタマーレビュー
古きよき昭和が香る
さと子は、一番大事なことは、人にいわないものだということもわかった。父も、門倉のおじさんも、みな本当のことはいわないで生きている…(本文より)。言葉に表さないお互いの気持ちを読み取って微妙な距離を保ちつつ毎日を暮らす。理屈では説明しきれない人と人との距離感がひしひしと伝わってくる作品です。夫婦とか友情とか、人と人との関係が簡単にリセットされがちなこの時代に、ぎゅっと胸をつかまれたように忘れかけていた何かを思い出させてくれます。
誰かを好きになったとき思わず読み返してしまう、私の向田コレクション中で一押しの作品です。
何度読んでも飽きない文章。凄いです!!
やはり向田邦子は面白い。
大きな事件があるわけでもないスジなのに
こんなにグイグイ引き込まれ、描写に酔わされ
奥深いところに響いてくる文章をかけるのはすごい。
たまたま福井晴敏読んだあとによんだので、その
ギャップがものすごかった(笑)
とくに本書は漱石ばりの三角関係を扱っていているけど
「状況」と「視覚」で心理をかたるTV出身の著者らしく、
肝心の部分は野暮な心理描写など一切ない。身にこなれた
だけを厳選し、些細な所作と暗喩だけで織り上げていく寡黙
な文体には、ある種の凄みすら感じる。
ぜひ読むべき作家だとおもう。
郷愁のフランキー堺
本書は「あ・うん」のテレビドラマ版の脚本。小説として読みたい方は文春文庫版をどうぞ。こちらは小説版の倍くらいの厚さがあるけれど,字数からするとそれほど増えてはいないのかも知れない。
いきなりこちらから読もうとしたけれど,脚本を読み慣れないから,うまく入っていけなくて,小説版をまず読んでからこちらにとりかかったら,すごく良かった。小説版と脚本版と,登場人物のせりふがほんの少し変わるだけで,その場面の空気が,ふわっと変化する。小説版で登場人物が口にしたせりふが,脚本版では長女のナレーションに変わっていたりするのも,ずいぶん作品世界の色合いが変わるようで,楽しい。脚本版では小説版以上に脇役たちが活躍する。脚本版にはテレビドラマのキャストが一覧になっているけれど,小説を読んで思い描いていたイメージと,ドラマで演じた役者さんがずれていたりするのも,新鮮だ。とくに作造さんが笠智衆だったりとか。
脚本版は,大きな画布にのびのびと描かれた絵画みたい。広やかで,色彩豊かで,ダイナミックで,開放感がある。小説版は,小さな画布に力強く描かれたデッサンのような印象。『あ・うん』は繰り返し読んでこそより深く味わえる作品のようで,小説版と脚本版をあわせて読み返してみると,すごくいいと思う。





