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フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)

フーコーの振り子〈上〉 (文春文庫)
By ウンベルト エーコ

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  • 発売日: 1999-06
  • 版型: 文庫
  • 566 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
二千年王国を夢みるテンプル騎士団。秘密の記号にこめられた世界制覇への野望とは?二十世紀最高の知的興奮小説、待望の文庫化

内容(「BOOK」データベースより)
「追われている。殺されるかもしれない。そうだ、テンプル騎士団だ」ミラノの出版社に持ち込まれた原稿が、三人の編集者たちを中世へ、錬金術の時代へと引き寄せていく。やがてひとりが失踪する。行き着いた先はパリ、国立工芸院、「フーコーの振り子」のある博物館だ。「薔薇の名前」から8年、満を持して世界に問うエーコ畢生の大作。


カスタマーレビュー

入り組んだテクストの4
 きっと読みきるのが難しい部類の話だと思う。
 まき戻る時間、突然現れるベルボの小説のような小説、出版社の事務室の中のマニアックすぎる会話、時折現れるサンジェルマンの影、場と心を乱すロレンツァの姿。

 最初は遊び半分、けれども次第にのめりこんで行く「真実を作りだすこと」に、もし読んでいるこちら側もハマってしまったら、多分、物事を見る目が少し歪んでくると思う。

 読後、物事を片端から関連付ける癖がついてしまって未だに苦労している。

 テンプル騎士団や薔薇十字、ユダヤ教の秘儀、ゴーレム、オカルトの知識がほとんどないのでぽんぽん飛び出す専門用語には苦労するけれど、それを知るのも醍醐味。

 難をつけるなら、これはどう見てもミステリーではないだろう。
 ラストを迎えても、考えねばならない事がたくさんありすぎる。

「薔薇の名前」と甲乙つけ難い5
 エンターテイメント性では前作が上。そして物語のスケール、緻密さでは本作が上。出来は甲乙つけ難いと思われます。エーコの膨大な知識をいちいち検証しようと思って読んでいたらいつまでたっても読書が進みませんので、「えいっ!」っと作者を信用してひたすら読み進めるのが吉と思われます。ふたつの時間軸が前後するのも、よくある構成とはいえ、読者を混乱に陥れる原因となります。そしてどこまで史実に則って、どこまでがエーコの創作なのかわからない物語の伏線も。
 文庫化されて入手もしやすくなりましたし、物議を醸す訳もありますが(「恐れ入谷の・・」以外にも驚愕の訳がいくつか登場します。確かにやり過ぎ。)、ストーリーを追う上ではそれほど障害にはならないと思われます。というか、日本語以外で読むのはきっと辛すぎ。
 「薔薇の名前」に魅せられた方は是非怖がらずにご一読を。

こんなにすごいお話が。5
「ウソでも百回繰り返せば本当になる」と言ったのは誰だったか。
迷信、迷妄、それ自体が実体の無いものであったとしても、それを信じる人が力を持つようになったとすれば、それはもう立派な現実となってしまうのである。これはそんなようなお話だ。

物語は壮大な言葉と歴史とオカルトの探索の旅、知的好奇心はシビレっぱなしである。めまいがするほどに巨大な知の殿堂。宝捜しのような楽しさが、突然怒涛のように動き出すサスペンスに侵食され、あとは一気にラストへなだれ込む。ガラス越しに安全な場所から謎を楽しんでいたはずの傍観者たる自分が、気がつけば当事者に。この恐ろしさ、ドキドキ感。味わわずしてなんとするか。