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隠し剣孤影抄 (文春文庫)

隠し剣孤影抄 (文春文庫)
By 藤沢 周平

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  • 発売日: 2004-06
  • 版型: 文庫
  • 409 ページ

エディターレビュー

出版社/著者からの内容紹介
山田洋次監督により映画化。今秋公開予定
秘剣術を知るがゆえに藩の陰謀に巻き込まれた男たちが、凄まじいまでの決闘に挑む。運命の悲哀に涙し、卓越した剣技描写に酔う

内容(「BOOK」データベースより)
秘剣、外に語らず―剣客小説に新境地を開いた名品集“隠し剣”シリーズ八篇。凶々しいばかりに研ぎ澄まされた剣技を秘める主人公たちは、また人としての弱さもあわせ持つ。剣鬼と化し破牢した夫のため捨て身の行動に出る人妻、これに翻弄される男を描く「隠し剣鬼ノ爪」。他に「暗殺剣虎ノ眼」などを収む。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
藤沢 周平
昭和2(1927)年、鶴岡市に生れる。山形師範学校卒。48年「暗殺の年輪」で第69回直木賞を受賞。主要な作品として「蝉しぐれ」「三屋清左衛門残日録」「一茶」「隠し剣孤影抄」「隠し剣秋風抄」「藤沢周平短篇傑作選」(全四冊)「霧の果て」「海鳴り」「白き瓶小説長塚節」(吉川英治文学賞)など多数。平成元年、菊池寛賞受賞、平成6年に朝日賞、同年東京都文化賞受賞、平成7年、紫綬褒章受章。「藤沢周平全集」(全25巻文芸春秋刊)がある。平成9年1月逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)


カスタマーレビュー

巻を措く能わざる面白さ5
小説としての完成度は、全体的には『隠し剣秋風抄』の方が高いとみますが、悲話の多い本書も、忘れがたい名編ぞろいの作品集でした。特に、巻末の中編である「宿命剣鬼走り」は、森鴎外の「阿部一族」を思わせる滅びの美学に満ちた佳品で、読後しばしの間立ち上がることができませんでした。とにかく一読をお薦めします。

なにゆえ命をかけるのか!4
8つの物語でそれぞれの秘剣を操るのは、日頃は影も薄い冴えない下級武士。とても秘剣の伝承者とは思えないような男達がお家の一大事、お上の命を受けやむを得ず隠剣を使う。それも一瞬のうちに。その剣のために命を落とす者もいる。
なにゆえ、この男達は貧しい暮らしの中で秘剣のことをひた隠し、毎日額に汗し泥にまみれ、手のひらのような小さい幸せの中に生きながら、ひとたび命を受ければ、その全てを捨ててまで剣を使うのか。日頃思い描く武士や侍とは少しちがう男達である。しかし、いずれの使い手もまちがいなく男の生き様である。
この作品は、これまでの藤沢周平の作品の中では、こころなしか主人公の周囲の女達の恋慕や情、欲といったものが色濃く描かれている。それが余計に男たちの潔さを引き立てている。
藤沢周平の描く時代劇は、無情さと切なさの中に不思議とさわやかな清涼感がある。

鬼の爪5
藤沢周平ファンとしては、たそがれ清兵衛に続き、鬼の爪が映画化されるのは嬉しい限りです。
本シリーズは主人公、またはそれに準じる者が秘剣を持っており、それを人生の節目で使います。しかしながら、その響きとは異なり、秘剣を使うことは必ずしも華々しいものではなありません。やむにやまれず使うこともあるし、最後に一矢報いるために使うなど。
主人公が派手な人間ではなく、地味な人が多く、剣が強いというのもそれほど大したメリットではないような社会で生きています。個人的には必死剣鳥刺し 女人剣さざ波の二つが非常に好きです。