漆の実のみのる国〈上〉 (文春文庫)
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商品の詳細
- Amazon.co.jp ランキング: #32184 / 本
- 発売日: 2000-02
- 版型: 文庫
- 285 ページ
エディターレビュー
出版社/著者からの内容紹介
一汁一菜に甘んじつつ財政改革に心血そそいだ上杉鷹山と執政たちの無私の心と苦悩を描き、藤沢さんの遺書とさえよばれた傑作長篇
内容(「BOOK」データベースより)
貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜をもちい、木綿を着て、藩政たてなおしに心血をそそいだ上杉鷹山と執政たち。政治とは、民を富まし、しあわせな日々の暮しをあたえることにほかならない。藤沢さんが読者にのこした遺書とでもいうべきこの長篇小説は、無私に殉じたひとびとの、類いなくうつくしい物語である。
内容(「MARC」データベースより)
貧窮のどん底にあえぐ米沢藩。一汁一菜、木綿を着た治憲は執政の人々と共に藩政たてなおしに心血をそそぐ。治憲にとって政治とは、民を富まし幸せな日々を与えることであった。無私に殉じた人々の類なくうつくしい物語。
カスタマーレビュー
藩政復興の物語
藤沢さんの最晩年の作品です。
貧乏に喘ぐ上杉藩の再興を目指した藩主の物語で、全編を通して政治、経済、そしてそれに伴う権力闘争が描かれています。
どちらかというと難しい政治の話ばかりですが、読了まであっという間でした。
この中には藤沢作品に特徴だった親子や夫婦の情愛、剣での闘争シーンはほとんど見られませんが、それでいて時に登場するそうしたシーンは短い文章であっても不思議に心に響きました。特に主人公の藩主「治憲」が、壮年期になって初めて暗愚と言われ軽侮していた前藩主へのとらわれから開放され、人として善き父であった彼に格別の思いを寄せる姿は胸打たれました。
また善と悪の狭間を描くのは池波さんの得意技でしたが、藤沢さんはこの作品の中でいわば藤沢流の善でも悪でもない人々を描き切っています。
名君と忠臣が足並み揃えて当たっても藩政は結局うまく行かず、忠臣はやがて汚職で失脚し、暗君と言われた前藩主の善性を見出し、断罪された重臣の息子たちは後に許されて忠臣として藩政で活躍する。
そこには善と悪でもない人々の姿が見出せます。
主人公はやがて藩主の座を退き、そして隠居の立場から最後の改革を目指し、その結果を最後まで描くことなく物語は幕を閉じています。
そこに独特な余韻と、この後鬼籍に入った藤沢さんの万感の思いが込められているように感じました。
著者最後の作品ですから 心して読みました
ここでまさかこの歌に出合うとは全く予想しておらず、びっくりした。思わず本の角を折りました。
「為せば成る 為さねば成らぬ何事も 成らぬは人の為さぬなりけり」
上杉治憲の信念を託した和歌(藩主引退後の号:鷹山)
藤原周平さん69歳、この作品が最後となり1997年1月亡くなりました。残りの原稿40枚に対し、体力が持たず書斎にあがる力も無い中、食卓で6枚を書き上げた遺品長編小説。
貧困に喘ぐ米沢藩。藩主の代替り、執政達による改革、それに立ち塞がる旧体制の重臣。
上杉治憲、藁科松伯、竹俣当綱、莅戸善政らの藩財政再建の物語。
非常に充実した内容で満足しました。やはり最後の最後、原稿6枚分には思うものがありました。また、人間としてサラリーマンとして、「歴史に学ぶ」ことはあるのですね。私 こういうの大嫌いですから避けていましたが、非常に勉強に、ためになった作品でした。
■ 参考までにウンチクを:
現代では上杉鷹山の和歌の方が馴染みがあるが元々は武田信玄の名言をコピーしたもの。
武田信玄の名言「為せば成る、為さねば成らぬ。成る業を成らぬと捨つる人のはかなさ」を変えて言ったものとされる。また、「してみせて 言って聞かせて させてみる」の言葉を残しており、山本五十六も信玄の影響を受けたとされる(*私、知りませんでした、てっきり山本五十六の言葉と思っていました。)。
■ カウントダウン藤沢周平:
藤沢作品の中で私がもっと嫌いとする「歴史&政治」の事実物語りの為、読むのを遅らせていた。上・下本の為、気合をいれ読み始めると、以外や以外スラスラと行き、面白く ついつい寝る間も惜しんで読んだ。「寝る間を惜しむ」とはまさにこのことを言うのだな?と実感しながら。。
そうこうしながら、この本の先駆をなした同著者中編小説が20年前に書かれていたと知り、既にその本を読んでいる。文春文庫「逆軍の旗」のなかの「幻にあらず」。
「食わず嫌い」とはこのことか?まー、藤沢作品ですから安心の上で読んでいますからね
■お薦め度:★★★★★
歴史人物が苦手な人でもOKです。落ち着いてゆっくり読めます。また、藤沢周平最後の作品ですから藤原ファンは是非読みたいところ。
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上杉鷹山に関する小説です。関ヶ原前後からの上杉家の動向など詳しい背景の説明があり理解が深まって満足しました。
具体的に、会津から米沢への転封後石高が大幅に削られたのにも関わらず、
家臣の数をほとんど減らさずに抱えてきたために、またその他諸事情により藩経営が窮地の状態であるという事などです。
役職名の列挙などやや詳しすぎて冗長になってしまっている点もありますが、
背景が分かってこそ現在の状況の深刻さが窺えると感じ、他の鷹山の小説を読んだ時に何となく釈然としなかった気持ちが晴れたような気がします。
側近と鷹山の幾多の苦労がなかなか報われず、さあ今度こそ、というところで残念ながら話が終わっていますが心に残る素晴らしい作品だと思います。





